交感神経の興奮によって起こる眼の反応はどれか。
公式正答:1
解説
眼には交感神経と副交感神経の両方が来ている。瞳孔を開くのが交感神経(瞳孔散大筋)、閉じるのが副交感神経(瞳孔括約筋)。
この問題で問われていること
眼という1つの器官のなかで、交感と副交感がそれぞれ何を担当しているかを分けられるか。選択肢には副交感の作用と、自律神経と関係のない現象が混ぜてある。
しくみから理解する
虹彩には2種類の筋がある。放射状に走る瞳孔散大筋は交感神経に支配され、収縮すると瞳孔が広がる(散瞳)。輪状に走る瞳孔括約筋は動眼神経の副交感成分に支配され、収縮すると瞳孔が狭まる(縮瞳)。交感神経が興奮する場面——驚き、暗所、痛み、ショック——では散瞳が起こる。眼への交感神経は上頸神経節から出て内頸動脈に沿って上行し、眼窩に入る。この経路が障害されると縮瞳・眼瞼下垂・発汗低下を伴うホルネル症候群になる。 【接地元】ガイトン生理学 第52章 遠近調節と瞳孔径の自律神経調節、第61章 自律神経系
選択肢ごとの確認
交感神経が瞳孔散大筋を収縮させて瞳孔が広がる。
涙腺の分泌は顔面神経の副交感成分(翼口蓋神経節を経由)が担当する。交感神経は涙腺の分泌をむしろ抑える。
明るい場所に移ったときに網膜の視物質(ロドプシン)が分解されて感度が下がる現象で、光受容器そのものの化学的な変化。自律神経の作用ではない。縮瞳も同時に起こるが、それは副交感の働き。
光が入ると縮瞳する反射。求心路は視神経、中枢は中脳、遠心路は動眼神経の副交感成分。交感神経は関与しない。
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混同しやすいポイント
明順応と縮瞳を同じものと考えると3を選んでしまう。明順応は網膜の受容器で起こる化学的な適応、縮瞳は虹彩の筋の反応で、階層が違う。暗い場所では散瞳(交感)と暗順応(網膜)が同時に起こるが、別の仕組みである。
理解を深める
眼の自律神経支配を1枚にまとめると、交感=瞳孔散大筋(散瞳)と上眼瞼のミュラー筋(眼裂の開大)、副交感=瞳孔括約筋(縮瞳)と毛様体筋(水晶体を厚くする=近見の調節)。ホルネル症候群で縮瞳・眼瞼下垂・患側顔面の発汗低下が3徴になるのは、交感神経のこの3つの担当がまとめて落ちるため。肺尖部の腫瘍(パンコースト腫瘍)が交感神経幹を巻き込んで起こることがあり、臨床でも重要。
間違えやすい考え方
同じ器官のなかで交感と副交感の担当を入れ替える型。加えて、自律神経と無関係の現象(明順応)を混ぜて選択肢の見かけを揃えている。
5分で振り返る
虹彩には瞳孔散大筋(交感・散瞳)と瞳孔括約筋(副交感・縮瞳)がある。副交感は動眼神経経由で毛様体筋も収縮させ、近くを見るときに水晶体を厚くする。涙腺は顔面神経の副交感が支配。対光反射は視神経→中脳→動眼神経。眼への交感神経が障害されるとホルネル症候群(縮瞳・眼瞼下垂・発汗低下)になる。明順応・暗順応は網膜の視物質の変化で、自律神経とは別。
1分チェック
- 瞳孔を広げるのは交感と副交感のどちらか
- 涙腺の分泌を担当するのはどの神経か
- 対光反射の求心路・中枢・遠心路をそれぞれ言えるか
- ホルネル症候群の3徴は何か
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