雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律〈男女雇用 機会均等法〉に規定されている母性保護はどれか。
公式正答:4
解説
男女雇用機会均等法に規定されている母性保護を問う。妊婦健康診査の受診時間の確保である。
この問題で問われていること
母性保護の規定が、どの法律に置かれているかを区別できるか。
しくみから理解する
男女雇用機会均等法は、妊娠中および出産後の女性労働者の健康管理に関する措置として、保健指導または健康診査を受けるために必要な時間を確保することを事業主に義務づけている。あわせて、医師等から指導を受けた場合に、勤務時間の変更や勤務の軽減など必要な措置を講じることも定めている。これを伝えるための様式が母性健康管理指導事項連絡カードになる。婚姻・妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止と、妊娠・出産等に関するハラスメントの防止措置も同法の規定になる。一方、育児休業等の申出や取得を理由とする不利益取扱いの禁止と、育児休業等に関するハラスメントの防止措置は、育児・介護休業法の規定であり、根拠法が異なる。
選択肢ごとの確認
生理日の就業制限は労働基準法の規定である。生理日の就業が著しく困難な女性が請求した場合、その者を就業させてはならない、と定められている。
産後6週間(原則8週間)の就業禁止も労働基準法の規定になる。産後8週間を経過しない女性を就業させてはならず、ただし産後6週間を経過した女性が請求し、医師が支障がないと認めた業務には就かせることができる。
妊産婦の時間外労働の禁止(請求があった場合)も労働基準法の規定である。時間外労働、休日労働、深夜業をさせてはならないと定められている。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
母性保護の規定を3つの法律で分ける。労働基準法=産前産後休業、生理日の就業制限、危険有害業務の制限、時間外・休日・深夜業の制限、軽易業務への転換、育児時間。男女雇用機会均等法=健康診査の時間確保、医師の指導に基づく措置、不利益取扱いの禁止、ハラスメント防止。育児・介護休業法=育児休業、子の看護等休暇、短時間勤務、所定外労働の制限。誤肢3つはすべて労働基準法の規定になっている。
理解を深める
妊婦健康診査の受診に必要な時間の確保は、具体的な回数の目安が示されている。妊娠23週までは4週間に1回、24週から35週までは2週間に1回、36週以後出産までは1週間に1回、そして産後1年以内は医師等の指示に従って必要な時間を確保する。これらは労働時間内に受診できるようにするもので、有給とするかは事業主の定めによる。母性健康管理指導事項連絡カードは、医師の指導内容(つわり、切迫流早産、妊娠高血圧症候群など症状に応じて、休業、勤務時間の短縮、作業の制限といった措置)を事業主に正確に伝えるための様式で、厚生労働省が定めている。看護師が外来で関わる場面では、このカードの存在を伝え、必要なら医師に相談するよう案内できる。制度を知らないために無理を続けて体調を崩す人は少なくない。制度は請求によって使えるものが多く、知っていることが使えることの前提になる。
間違えやすい考え方
根拠法を問う型で、誤肢がすべて労働基準法の規定である。3法の役割分担で切る。
5分で振り返る
①男女雇用機会均等法=健康診査の時間確保、医師の指導に基づく措置(母性健康管理指導事項連絡カード)、不利益取扱いの禁止、ハラスメント防止。②労働基準法=産前6週・産後8週、生理日の就業制限、時間外と深夜業の制限、危険有害業務の制限、軽易業務への転換、育児時間。③育児・介護休業法=育児休業、看護等休暇、短時間勤務。④健診の回数の目安=23週まで4週に1回、24〜35週は2週に1回、36週以後は1週に1回。⑤産後1年以内も指示に従い時間を確保。⑥制度は請求によって使える。
1分チェック
- 妊婦健康診査の時間確保を定めるのは。→ 男女雇用機会均等法。
この問題に対応する教材の確認中です。