指鼻試験で評価するのはどれか。
公式正答:2
解説
指鼻試験で評価するものを問う。小脳機能である。
この問題で問われていること
検査の手技から、何を見ているかを導けるか。
しくみから理解する
指鼻試験は、被検者に、検者の指と自分の鼻先を交互に、目を開けた状態と閉じた状態で触ってもらう検査である。小脳は、運動の協調、速度、距離、方向を調節しており、この機能が障害されると、目標に近づくにつれて手が震える(企図振戦)、目標を行き過ぎる、または手前で止まる(測定障害)といった所見が現れる。したがって、小脳の機能を評価する検査になる。同じ目的の検査として、踵膝試験、回内回外試験(拮抗運動反復不能を見る)、指指試験がある。
選択肢ごとの確認
視野の評価には、対座法(検者と向かい合い、指を動かして見える範囲を比較する)や視野計を用いる。指鼻試験は視野を測る検査ではない。
表在反射は、皮膚を刺激して起こる反射で、腹壁反射、挙睾筋反射、足底反射(バビンスキー反射)などがある。打診器や先の鈍い器具を用いて誘発する。指鼻試験とは別の検査になる。
複合知覚(皮質性感覚)は、二点識別覚、立体認知(手のひらの物を見ずに当てる)、皮膚書字覚といった、頭頂葉での統合を要する感覚を指す。基本的な触覚や痛覚が保たれていることが前提になる。指鼻試験では評価しない。
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混同しやすいポイント
検査と評価する機能を対応づけて覚える。指鼻試験・踵膝試験・回内回外試験=小脳機能(協調運動)。ロンベルグ試験=深部感覚(閉眼で動揺が増せば感覚性失調)。対座法=視野。腱反射=反射弓と錐体路。バビンスキー反射=錐体路。二点識別覚と立体認知=頭頂葉。この対応表を持っておくと、神経学的所見の設問に対応できる。
理解を深める
小脳機能の障害では、運動失調が現れる。四肢の失調(企図振戦、測定障害、拮抗運動反復不能)、体幹の失調(座位や立位の保持が難しい、開脚で歩く)、構音の障害(断綴性言語:言葉が途切れて爆発的になる)、眼球運動の障害(眼振)が特徴になる。原因としては、小脳梗塞と出血、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、腫瘍、アルコールによる変性、ビタミンB1欠乏(ウェルニッケ脳症)、薬物(抗てんかん薬の中毒)がある。感覚性の失調(深部感覚障害による)との鑑別には、閉眼による変化を見る。小脳性では閉眼しても大きく変わらないが、感覚性では閉眼で著しく悪化する(視覚で代償していたため)。看護では、転倒の予防が最優先になる。移動時の介助、環境の整備、履物、そして本人が自分の状態を過小評価していないかの確認が必要になる。失調のある人は、ゆっくり動くこと、支持面を広くとること、手すりや歩行器を使うことで安全性を高められる。
間違えやすい考え方
検査の目的を問う型で、誤肢がすべて別の検査で評価するものである。手技から何を見るかで切る。
5分で振り返る
①指鼻試験=検者の指と自分の鼻を交互に触る。小脳機能(協調運動)を評価する。②所見は企図振戦、測定障害。③同じ目的の検査=踵膝試験、回内回外試験、指指試験。④視野は対座法、表在反射は皮膚刺激、複合知覚は頭頂葉の機能。⑤小脳性失調は閉眼で大きく変わらないが、感覚性失調は閉眼で著しく悪化する(ロンベルグ試験)。⑥小脳障害では体幹失調、断綴性言語、眼振も現れる。⑦看護では転倒の予防が最優先。
1分チェック
- 指鼻試験で評価するのは。→ 小脳機能(協調運動)。
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