マイコプラズマ肺炎 mycoplasma pneumonia の感染経路はどれか。
公式正答:3
解説
マイコプラズマ肺炎の感染経路を問う。飛沫感染である。
この問題で問われていること
感染経路を、病原体の性質と粒子の大きさから区別できるか。
しくみから理解する
マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマによる感染症で、感染者の咳やくしゃみに含まれる飛沫を吸い込むことで伝播する。飛沫は比較的大きく重い粒子で、1〜2メートル程度の距離で落下するため、患者との近い距離での接触が感染の条件になる。飛沫と飛沫核を5マイクロメートルで分ける記述が広く用いられているが、呼吸により排出される粒子の大きさは連続した分布をなし、この境界は物理的な根拠を持つものではなく、予防策を選ぶための簡略化された区分になる。学校、職場、家庭といった閉鎖的な集団で流行しやすく、学童期から若年成人に多い。予防としては、患者と接する際のサージカルマスクの着用、手指衛生、そして距離の確保が有効になる。
選択肢ごとの確認
空気感染(飛沫核感染)は、5マイクロメートル以下の飛沫核が空気中を長時間漂い、広範囲に伝播するものである。結核、麻疹、水痘が代表になる。これらには陰圧室とN95マスクが必要で、マイコプラズマ肺炎とは対策の水準が異なる。
血液感染は、血液を介して伝播するもので、B型肝炎、C型肝炎、後天性免疫不全症候群が該当する。マイコプラズマは呼吸器の病原体であり、血液を介さない。
媒介物感染は、汚染された水、食品、器具、あるいは蚊やダニといった媒介動物を介するものである。マイコプラズマの経路ではない。
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混同しやすいポイント
感染経路を4つに分けて、代表的な疾患とともに覚える。空気感染=結核、麻疹、水痘(陰圧室、N95マスク)。飛沫感染=インフルエンザ、マイコプラズマ、風疹、流行性耳下腺炎、百日咳、髄膜炎菌(サージカルマスク、1〜2メートルの距離)。接触感染=メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、ノロウイルス、疥癬、流行性角結膜炎(手指衛生、手袋、ガウン)。媒介物・媒介動物=食中毒、デング熱、マラリア。この分類が、必要な感染対策を決める。
理解を深める
マイコプラズマ肺炎の特徴は、頑固な乾性咳嗽が長く続くこと、発熱と全身倦怠感を伴うこと、そして聴診所見が乏しいのに胸部エックス線で陰影が見られること(症状と所見の解離)にある。かつて「異型肺炎」と呼ばれたのはこのためである。マイコプラズマには細胞壁がないため、細胞壁の合成を阻害するβラクタム系抗菌薬(ペニシリン、セフェム)が無効で、マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系が用いられる。近年はマクロライド耐性株が増えている。合併症として、中耳炎、無菌性髄膜炎、ギラン・バレー症候群、心筋炎、皮疹(多形滲出性紅斑、スティーブンス・ジョンソン症候群)がある。診断には、迅速抗原検査、核酸増幅法、血清抗体価の測定が用いられる。学校保健安全法施行規則では、マイコプラズマ肺炎は第三種の感染症のうち条文に列挙されたものではなく、「その他の感染症」として扱われる。学校で流行が起こった場合に、校長が学校医の意見を聞いて出席停止の措置をとることができる、という位置づけになる。
間違えやすい考え方
感染経路を問う型で、誤肢が空気感染・血液感染・媒介物感染である。4分類と代表疾患で切る。
5分で振り返る
①マイコプラズマ肺炎は飛沫感染(比較的大きく重い粒子で、1〜2メートルで落下)。5マイクロメートルという境界は、予防策を選ぶための簡略化された区分。②空気感染は結核・麻疹・水痘(陰圧室とN95マスク)。③接触感染はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌・ノロウイルス・疥癬。④マイコプラズマには細胞壁がなくβラクタム系は無効、マクロライド系などを用いる。⑤頑固な乾性咳嗽、聴診所見と画像所見の解離が特徴。⑥合併症に中耳炎、髄膜炎、ギラン・バレー症候群、皮疹。⑦学校保健安全法施行規則では第三種の「その他の感染症」にあたり、学校で流行が起これば校長が学校医の意見を聞いて出席停止にできる。
1分チェック
- マイコプラズマ肺炎の感染経路は。→ 飛沫感染(サージカルマスクと距離の確保)。
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