患者、看護師、ベッド、車椅子の位置を図に示す。 ベッド上にいる右片麻痺がある患者の端座位から車椅子への移乗を援助する看護 師の足と車椅子の位置で適切なのはどれか。
公式正答:1
解説
右片麻痺のある患者の端座位から車椅子への移乗を援助する際の、看護師の足と車椅子の位置を図から選ぶ。公式正答は①である。
この問題で問われていること
健側を活かす移乗の原則と、力学的に安全な立ち位置を説明できるか。
しくみから理解する
片麻痺のある患者の移乗では、健側を軸にする。この患者は右片麻痺なので、健側は左になる。車椅子は、患者の健側である左側に、ベッドに対して20〜30度の角度をつけて置く。こうすると、患者は健側の手でアームレストをつかみ、健側の足に体重をかけて立ち上がり、健側を軸に方向を変えて座れる。角度をつけるのは、移動する距離と方向転換の量を減らすためになる。看護師は、患者の患側(右)に立って、麻痺側の膝折れを防ぎ、体を支える。足は、前後左右に開いて支持基底面を広げ、患者の重心を自分の方へ引き寄せながら重心を低く保つ。ブレーキをかけ、フットレストを上げ、必要に応じてアームレストとレッグレストを外すことも、事前の準備になる。
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混同しやすいポイント
健側と患側のどちらに車椅子を置くかを取り違えると、患者は麻痺側で体を支えることになり、転倒する。「車椅子は健側に置く」が原則になる。一方、看護師の立ち位置は患側になる。この2つが逆になっている点が、覚えにくく間違えやすい。理由から考えると迷わない。患者が力を出すのは健側なので、車椅子は健側へ。支えが必要なのは患側なので、看護師は患側へ。
理解を深める
移乗の援助の手順を整理する。準備=患者の状態(血圧、めまい、疼痛、麻痺の程度、認知機能)を確認する、履物と衣類を整える、車椅子を健側に20〜30度の角度で置く、ブレーキをかける、フットレストを上げる、環境を整える(点滴、ドレーン、コード類)。端座位=ベッドの高さは、足底が床にしっかりつく範囲で、できるだけ高くする。座面が低くて膝が股関節より高くなるほど、立ち上がりに要する股関節と膝の伸展の仕事は大きくなり、立ち上がりにくくなる。股関節が膝と同じ高さか、やや高くなる位置が立ち上がりやすい。しばらく座って、めまいと血圧の変動がないか確認する。立ち上がり=患者に手順を説明し、健側の手でアームレストまたは看護師の肩をつかんでもらう。患者に前傾姿勢をとってもらい(重心を足の上へ移す)、看護師は患側の膝を自分の膝で支え、腰を引き寄せながら、患者の力を活かして立ち上がる。方向転換=健側の足を軸に、小刻みに向きを変える。着座=アームレストに手をかけてもらい、ゆっくり腰を下ろす。深く座り直し、姿勢を整える。看護師の身体の使い方としては、支持基底面を広げる、重心を低くする、対象に近づく、大きな筋群を使う、体をねじらない、そしててこの原理を使うという、ボディメカニクスの原則を守る。患者の力を引き出し、全部を持ち上げないことが、双方の安全につながる。
間違えやすい考え方
図から位置を選ぶ型で、車椅子は健側・看護師は患側という原則で判断できる。図中のどれが正答①かは別冊で要確認。
5分で振り返る
①片麻痺の移乗は健側を軸にする。右片麻痺なら健側は左。②車椅子は健側に、ベッドに対して20〜30度の角度で置く(移動距離と方向転換を減らす)。③看護師は患側に立ち、膝折れを防いで支える。④ブレーキをかけ、フットレストを上げ、必要ならアームレストを外す。⑤ベッドの高さは、足底が床にしっかりつく範囲でできるだけ高く。股関節が膝と同じ高さかやや高くなる位置が立ち上がりやすい(座面が低いほど、立ち上がりに要する力は大きくなる)。⑥端座位でめまいと血圧の変動を確認してから立つ。⑦ボディメカニクス=支持基底面を広げる、重心を低く、対象に近づく、大きな筋群を使う、体をねじらない。
1分チェック
- 右片麻痺の移乗では。→ 車椅子は健側(左)に20〜30度、看護師は患側(右)に立つ。
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