健康な成人の皮膚で正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
アポクリン汗腺は腋窩・外陰部・乳輪など限られた場所にある。全身にあるエクリン汗腺との違いを問う問題。
この問題で問われていること
皮膚の層構造と付属器、そして皮膚表面の性質を正確に言えるか。紫外線を吸収するのが何かを区別できるか。
しくみから理解する
皮膚は表面から表皮・真皮・皮下組織の3層からなる。表皮はさらに角質層・顆粒層・有棘層・基底層に分かれ、細胞は最深部の基底層で生まれて押し上げられ、角化しながら表層へ移動し、最終的に角質層から垢として剝がれ落ちる(ターンオーバー、およそ4〜6週)。汗腺には2種類あり、エクリン汗腺はほぼ全身に分布して体温調節のための希薄な汗を出す。アポクリン汗腺は腋窩・外陰部・乳輪・外耳道などに限られ、思春期以降に働いて脂質と蛋白質を含む汗を出す。これが皮膚常在菌に分解されると特有のにおいになる。皮膚表面は皮脂と汗により弱酸性(pH4.5〜6.0)に保たれ、細菌の増殖を抑えている。紫外線を吸収して細胞核を守るのはメラニンで、ケラチンは角質をつくる線維状の蛋白質である。 【接地元】三年解剖学総まとめ(皮膚)、OpenStax anatomy_physiology_2e(integumentary system)
選択肢ごとの確認
剝がれ落ちるのは最表層の角質層。基底層は最深部で、細胞が生まれる場所である。上下が逆になっている。
アポクリン汗腺は腋窩・外陰部・乳輪・外耳道などに限局して分布する。
弱酸性(pH4.5〜6.0)。この酸性の膜が細菌の増殖を防いでいる。石けんで洗いすぎると一時的にアルカリ性に傾き、バリア機能が落ちる。
紫外線を吸収するのはメラニン。メラノサイトがつくり、角化細胞の核の上に傘のように配置されてDNAを守る。ケラチンは角質層を形づくる線維状の蛋白質で、物理的なバリアと水分保持を担う。
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混同しやすいポイント
表皮の層は下から基底層・有棘層・顆粒層・角質層の順で、生まれるのが下、剝がれるのが上。上下の向きを取り違えると1を選ぶ。またケラチンとメラニンの役割の違いも頻出で、ケラチン=構造、メラニン=紫外線防御と分ける。
理解を深める
皮膚のバリア機能は3層で理解できる。物理的バリア=角質層とケラチン。化学的バリア=皮脂膜による弱酸性の環境。生物学的バリア=常在菌叢とランゲルハンス細胞(免疫)。高齢者では皮脂と汗の分泌が減って乾燥し、角質層の水分保持能も落ちるため、掻痒感が出やすく損傷しやすい。したがって清拭では熱すぎる湯と強い摩擦を避け、弱酸性の洗浄剤を使い、保湿を行うのが基本になる。褥瘡の予防でも、皮膚の湿潤と乾燥のバランスを保つことが重要になる。
間違えやすい考え方
1つの器官について層構造・付属器・pH・成分の役割を1肢ずつ誤らせる型。層の順序と、似た名前の物質(ケラチン/メラニン)の区別が鍵。
5分で振り返る
皮膚=表皮(角質層・顆粒層・有棘層・基底層)+真皮+皮下組織。細胞は基底層で生まれ角質層から垢として剝がれる(ターンオーバー4〜6週)。エクリン汗腺=ほぼ全身・体温調節。アポクリン汗腺=腋窩・外陰部・乳輪・外耳道・思春期以降。皮膚表面は弱酸性(pH4.5〜6.0)。ケラチン=角質の構造蛋白、メラニン=紫外線を吸収してDNAを守る。
1分チェック
- 表皮の層を深いほうから順に言えるか
- 垢になるのはどの層か
- アポクリン汗腺はどこにあるか
- 紫外線を吸収するのは何か
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