午前8時から24 時間蓄尿を開始することになった。 蓄尿の方法で正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
午前8時から24時間蓄尿を開始する場合の方法を問う。終了日の午前8時の尿は蓄尿することである。
この問題で問われていること
24時間に産生された尿を過不足なく集める方法を説明できるか。
しくみから理解する
24時間蓄尿の目的は、ある24時間の間に腎で産生された尿をすべて集めることにある。午前8時に開始する場合、その時点で膀胱に溜まっている尿は、開始前に作られたものなので捨てる。そして、その後に排泄された尿をすべて蓄尿容器に入れる。翌日の午前8時には、膀胱に溜まっている尿を排尿してもらい、これを最後に加える。この尿は、24時間の間に作られたものだからである。つまり「最初の尿は捨て、最後の尿は入れる」という原則になる。
選択肢ごとの確認
滅菌容器は不要である。24時間蓄尿は、尿中の物質の総量を測る検査であり、無菌性を求めるものではない。培養検査を行う場合は別に無菌的に採取する。ただし、検査項目によっては保存剤(塩酸、トルエンなど)を加えたり、冷所に保存したりする必要がある。
開始日の午前8時の尿は捨てる。この尿は、開始時刻より前に作られたものであり、含めると24時間より長い時間の尿を集めることになる。
中間尿を採取するのは、細菌培養や一般的な尿検査で、外尿道口付近の常在菌の混入を減らすためである。24時間蓄尿では、産生された尿の総量が必要なので、初尿から終尿まですべてを集める。中間尿だけを集めると、総量が不足して測定値が低く出る。
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混同しやすいポイント
『24時間に作られた尿をすべて』という目的から、すべての手順が導ける。最初は捨てる(前の時間帯の尿だから)、途中はすべて入れる(中間尿ではなく全量)、最後は入れる(24時間内に作られたから)。誤肢は、この目的から外れる操作になっている。
理解を深める
24時間蓄尿で測定される項目には、1日尿量、クレアチニンクリアランス(腎機能の評価)、1日尿蛋白量(ネフローゼ症候群や腎炎の評価)、電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム)の排泄量、尿素窒素(蛋白摂取量の推定)、そして内分泌疾患の評価(カテコールアミン、コルチゾール、アルドステロン)がある。食塩摂取量の推定にも用いられ、栄養指導の資料になる。実施上の注意としては、開始と終了の時刻を明確に伝え、記録すること。トイレの水で流してしまわないよう、目につく場所に表示をすること。排便時にも尿を採取すること(同時に出た尿を流してしまいやすい)。容器を冷所または遮光で保存すること。1回でも捨ててしまったら、その時点で正確な測定ができなくなるため、やり直しになることを説明すること。患者の協力が不可欠な検査であり、なぜ必要か、どう協力してほしいかを具体的に伝えることが、成功の鍵になる。
間違えやすい考え方
手順を問う型で、誤肢が容器の誤り・最初の尿の扱い・採取方法の誤りである。目的(24時間分をすべて)で切る。
5分で振り返る
①目的は24時間に産生された尿をすべて集めること。②開始時刻の尿は捨てる(前の時間帯の尿)。③終了時刻の尿は排尿してもらい加える(24時間内の尿)。④中間尿ではなく全量を集める。⑤滅菌容器は不要だが、項目により保存剤と冷所保存が要る。⑥測定項目=1日尿量、クレアチニンクリアランス、1日尿蛋白、電解質、食塩摂取量の推定。⑦1回でも捨てるとやり直しになることを説明する。
1分チェック
- 24時間蓄尿では。→ 開始時の尿は捨て、終了時の尿は入れる。全量を集める(中間尿ではない)。
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