ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉に汚染された注射針による針刺し事故の感染率で正 しいのはどれか。
公式正答:4
解説
ヒト免疫不全ウイルスに汚染された注射針による針刺し事故の感染率を問う。0.3%である。
この問題で問われていること
血液媒介感染症の感染率を、ウイルスごとに把握しているか。
しくみから理解する
針刺し事故による感染率は、ウイルスによって大きく異なる。B型肝炎ウイルスが最も高く、抗原の状態によっては30%程度に達する。C型肝炎ウイルスは3%程度、ヒト免疫不全ウイルスは0.3%程度とされる。この差は、血液中のウイルス量と感染力の違いによる。感染率が低いとはいえ、曝露後の予防内服により感染のリスクをさらに下げられるため、事故が起きたら速やかに報告し、評価を受けることが重要になる。
選択肢ごとの確認
40%は、B型肝炎ウイルスの感染率に近い水準になる(30%程度)。ヒト免疫不全ウイルスの100倍以上であり、取り違えないようにする。
10%も高すぎる。
2%はC型肝炎ウイルスの感染率(3%程度)に近い値になる。
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混同しやすいポイント
設問が問うヒト免疫不全ウイルスの感染率は約0.3%になる。B型肝炎は、曝露源がHBe抗原陽性である場合に30%程度と高く、C型肝炎はその中間で、現行の推計は3%より低い。いずれも曝露源のウイルス量と抗原の状態、曝露の量と経路によって大きく変わるため、固定した比としては覚えない。この違いが、対応の優先度と方法の違いにつながる。B型肝炎はワクチンで予防でき、曝露後には免疫グロブリンとワクチンが有効。C型肝炎には曝露後予防がなく、経過を追って早期発見と治療を図る。ヒト免疫不全ウイルスには曝露後の予防内服がある。
理解を深める
針刺し事故が起きたときの対応は、①直ちに流水と石けんで洗浄する(消毒薬の使用や絞り出しは推奨されない)、②直ちに責任者へ報告する、③曝露源の患者の感染状況を確認する(本人の同意を得て検査する)、④被曝者の抗体の状態を確認する、⑤必要な予防措置をとる、⑥経過を追跡する(定められた時期に検査を行う)、という流れになる。ヒト免疫不全ウイルスへの曝露では、可能な限り速やかに(数時間以内が望ましい)抗ウイルス薬の予防内服を開始する。この判断のために、24時間対応できる体制が整えられている必要がある。予防としては、リキャップをしない、安全装置付きの器材を使う、使用したらその場で専用容器へ廃棄する、容器を満杯にしない、手袋を着用する(手袋を通過する際にウイルス量が減る効果がある)、そしてB型肝炎ワクチンを接種して抗体を獲得しておくことが挙げられる。事故は報告されなければ対応も予防もできないため、報告しやすい環境をつくることが組織の責務になる。
間違えやすい考え方
感染率を問う型で、誤肢が他のウイルスの感染率と過大な値である。3つの数値で切る。
5分で振り返る
①針刺し事故によるヒト免疫不全ウイルスの感染率は約0.3%。B型肝炎はHBe抗原陽性の曝露源で30%程度と最も高く、C型肝炎はその中間になる。いずれも曝露源のウイルス量と曝露の条件で大きく変わる。②事故時は流水と石けんで洗浄(絞り出しと消毒は推奨されない)。③直ちに報告し、曝露源と被曝者の状態を確認する。④ヒト免疫不全ウイルスへの曝露では速やかに予防内服を開始する。⑤B型肝炎はワクチンで予防でき、曝露後は免疫グロブリンとワクチン。⑥C型肝炎には曝露後予防がなく経過観察。⑦予防はリキャップをしない、安全器材、その場で廃棄、手袋、ワクチン接種。
1分チェック
- 針刺し事故によるHIV感染率は。→ 0.3%(B型肝炎は30%、C型肝炎は3%)。
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