膀胱鏡による組織検査を受ける成人男性への説明で正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
膀胱鏡による組織検査を受ける成人男性への説明で正しいものを問う。「尿道から内視鏡を挿入します」である。
この問題で問われていること
検査の経路と手技を正確に把握しているか。
しくみから理解する
膀胱鏡は、尿道から内視鏡を挿入して膀胱内を観察する検査である。血尿の原因検索、膀胱腫瘍の診断と経過観察、間質性膀胱炎の診断などに用いられ、必要に応じて組織を採取する(生検)。男性の尿道は長く屈曲しているため、軟性鏡を用いることが多く、局所麻酔用のゼリーを尿道に注入してから挿入する。検査中は砕石位をとる。前立腺肥大症がある場合は挿入に難渋することがある。
選択肢ごとの確認
検査前に膀胱に尿をためる必要はない。むしろ排尿を済ませてから検査に臨む。検査中は、視野を確保するために灌流液(生理食塩水など)を膀胱内に注入して膨らませるため、あらかじめ尿をためておく必要がない。なお、経腹的な超音波検査で膀胱や前立腺を見る場合は、尿をためることで音響窓が得られるため、この点と混同しやすい。
膀胱に注入するのは二酸化炭素ではなく灌流液(生理食塩水など)である。二酸化炭素を注入するのは、腹腔鏡手術の気腹や、大腸内視鏡での送気(近年は空気より二酸化炭素が用いられる)になる。
検査後24時間のベッド上安静は不要である。多くは外来で行われ、検査後は通常の生活に戻れる。検査後は水分を多めに摂り、排尿を促して、尿路感染と血尿の遷延を防ぐ。血尿は数日で軽快することが多いが、持続する場合や発熱があれば受診するよう説明する。
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混同しやすいポイント
誤肢は、他の検査の準備(尿をためる=経腹超音波)、他の検査の手技(二酸化炭素=腹腔鏡や大腸内視鏡)、過剰な安静で構成されている。膀胱鏡が「尿道から入れて膀胱の中を見る」という単純な検査であることを押さえれば、いずれも判断できる。
理解を深める
検査後の看護としては、排尿の確認(初回排尿の時刻、量、性状)、血尿の程度、疼痛と排尿時痛、発熱の有無を観察する。水分摂取を促し、尿量を確保することが、感染と血塊による閉塞の予防になる。合併症としては、尿路感染、出血、尿道損傷、尿閉、そして迷走神経反射がある。患者にとっては、羞恥心と疼痛への不安が大きい検査であり、プライバシーの確保、露出の最小化、声かけ、そして検査の目的と流れの事前の説明が負担を減らす。生検を行った場合は、結果が出るまでの期間と、その間の不安に配慮する。膀胱癌は再発率が高いため、治療後も定期的な膀胱鏡による経過観察が長期にわたって必要になる。繰り返し受ける検査であるだけに、初回の体験が、その後の受診の継続に影響することもある。
間違えやすい考え方
検査の手技を問う型で、誤肢が他の検査の要素と過剰な安静である。経路と手技で切る。
5分で振り返る
①膀胱鏡は尿道から内視鏡を挿入して膀胱内を観察する。②検査前に尿をためる必要はなく、排尿を済ませる。③膀胱を膨らませるのは灌流液(生理食塩水)で、二酸化炭素ではない。④体位は砕石位、局所麻酔用ゼリーを用いる。⑤検査後の長時間の安静は不要、水分を多めに摂り排尿を促す。⑥合併症は尿路感染、出血、尿道損傷、尿閉、迷走神経反射。⑦血尿が持続する、発熱があれば受診する。
1分チェック
- 膀胱鏡はどこから入れるか。→ 尿道から(灌流液で膀胱を膨らませて観察する)。
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