親性について適切なのはどれか。
公式正答:1
解説
親性について適切なものを問う。子を育もうとする性質であることである。
この問題で問われていること
概念を、生物学的な条件や性別役割から切り離して理解しているか。
しくみから理解する
親性は、子どもを慈しみ、育てようとする性質を指す。性別や、生物学的なつながりの有無にかかわらず、また実際に子を持っているかどうかにもかかわらず、人が持ちうるものとして捉えられる。この性質は、生まれつき備わっているというより、育てられた体験、子どもと関わる経験、そして実際に育てる過程を通じて育っていくと考えられている。近年は、思春期からの「親性を育む」教育や、乳幼児とのふれあい体験の意義が注目されている。
選択肢ごとの確認
誰でも子を持つ時点で備えているわけではない。親になったからといって自動的に親としての感情や行動が生じるとは限らず、戸惑い、実感の乏しさ、負担感を抱く人は少なくない。「母性本能」といった、女性なら自然に備わるという考え方は、現在は否定されており、そうした前提が、うまくできない人を追い詰めることが問題視されている。
性別に基づく役割分業とは無関係である。親性は、母親だけのものでも、父親だけのものでもなく、性別によって内容が決まるものでもない。父親も母親も、そして親以外の大人も持ちうる。
生物学的な結びつきは条件にならない。養親、里親、継親、そして保育や教育に携わる人も親性を発揮する。生物学的な親子でなくても、子どもを育み、愛着を形成することができる。
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混同しやすいポイント
誤肢3つは、いずれも「親性は自動的に備わる、性別で決まる、血のつながりが必要」という古い前提に基づいている。現在の理解は、育っていくもの、性別によらないもの、血縁によらないもの、という3点になる。この転換は、多様な家族のあり方と、育児を支える社会のあり方に直結する。
理解を深める
親になる過程では、多くの人が困難を経験する。妊娠中から出産、そして育児へと、身体、生活、役割、関係のすべてが変化する。とくに産後は、ホルモンの急激な変動、睡眠不足、育児の負担、そして「母親らしくできない」という自責が重なり、産後うつのリスクが高まる。父親も、生活の変化、経済的責任、そして支援の対象とされにくいことから、負担を抱えることがある。看護としては、「親なのだから当然できる」という前提を持たず、できないことを責めず、具体的な方法を一緒に確認し、頑張っている部分を認めることが支えになる。子どもへの愛着は、生まれた瞬間に湧くとは限らず、日々の関わりのなかで育っていくものであることを伝えることも、罪悪感を減らすうえで意味を持つ。育児は、親だけで担うものではなく、家族、地域、制度によって支えられるべきものだという視点も、支援の前提になる。
間違えやすい考え方
概念を問う型で、誤肢がすべて古い前提(自動的・性別・血縁)に基づいている。育つもの・性別によらない・血縁によらないで切る。
5分で振り返る
①親性=子を慈しみ育てようとする性質。②性別、血縁の有無、実際に子を持つかどうかにかかわらず持ちうる。③生まれつき備わるのではなく、体験と関わりを通じて育つ。④「母親なら自然に備わる」という前提は否定されており、うまくできない人を追い詰める。⑤養親、里親、継親、保育や教育に携わる人も発揮する。⑥子への愛着は生まれた瞬間に湧くとは限らず日々の関わりで育つ。⑦育児は親だけでなく家族・地域・制度で支えるもの。
1分チェック
- 親性とは。→ 子を育もうとする性質。性別や血縁によらず、経験を通じて育つもの。
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