精神障害者保健福祉手帳の交付によって精神障害者に適用されるのはどれか。
公式正答:2
解説
精神障害者保健福祉手帳の交付によって精神障害者に適用されるものを問う。所得税の障害者控除である。
この問題で問われていること
手帳によって受けられるものと、手帳がなくても受けられるものを区別できるか。
しくみから理解する
精神障害者保健福祉手帳は、一定の精神障害の状態にあることを証明するもので、等級は1級から3級まである。手帳によって受けられる支援には、所得税と住民税の障害者控除、相続税の控除、自動車税の減免、公共料金や交通機関の割引、公共施設の利用料の減免、携帯電話料金の割引、そして障害者雇用率制度における雇用のカウントがある。税制上の優遇は、手帳によって受けられる代表的なものになる。ただし所得税の障害者控除については、手帳のほかにも経路があり、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者、判定機関により知的障害者とされた者、市町村長等の認定を受けた者なども対象になる。手帳は、控除を受けられる経路の一つになる。
選択肢ごとの確認
行動援護の介護給付は、障害者総合支援法に基づくサービスで、障害支援区分の認定によって利用できる。手帳の所持は要件ではない。
自立支援医療(精神通院医療)は、通院による精神医療の自己負担を軽減する制度で、手帳とは別に申請する。手帳がなくても利用でき、逆に手帳があっても自動的に適用されるわけではない。ただし、手帳の申請と自立支援医療の申請を同時に行うことは可能で、診断書を共用できる場合がある。
グループホーム(共同生活援助)における日常生活上の援助も、障害者総合支援法に基づくサービスで、支給決定によって利用する。手帳の所持は要件ではない。なお共同生活援助は訓練等給付にあたり、原則として障害支援区分の認定を要しない(介護を伴う利用など、区分の認定が必要になる場合はある)。区分の認定を要するのは、居宅介護、行動援護、生活介護、施設入所支援といった介護給付になる。
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混同しやすいポイント
手帳と障害福祉サービスは別の制度である、という点が要点になる。手帳=障害があることの証明で、税制上の優遇、割引、雇用のカウントに使う。障害福祉サービス(障害者総合支援法)=支給決定によって利用する。介護給付(居宅介護、行動援護、生活介護、施設入所支援など)には障害支援区分の認定が要るが、訓練等給付(共同生活援助、就労移行支援など)は原則として要しない。自立支援医療=医療費の軽減で、これも別の申請になる。誤肢3つはすべて、手帳とは別の手続きで利用する制度になっている。
理解を深める
精神障害者保健福祉手帳の申請は、初診から6か月以上経過した時点で、市町村の窓口を通じて行う。診断書または障害年金証書の写しを添えて申請し、精神保健福祉センターが判定する。有効期間は2年で、更新の申請が必要になる。等級は、1級(日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度)、2級(日常生活が著しい制限を受ける程度)、3級(日常生活または社会生活が制限を受ける程度)に分かれる。手帳の取得には、障害者として認定されることへの抵抗感を持つ人もおり、本人の意思が尊重される。一方で、取得により受けられる支援を知らないまま過ごしている人も多く、情報提供は看護の役割の一つになる。就労においては、障害者雇用枠での就職、就労移行支援、就労継続支援、そして職場での合理的配慮の根拠にもなる。手帳を提示するかどうかは本人が選べるため、就労の場面でどう扱うかも含めて相談に応じる。
間違えやすい考え方
制度の適用を問う型で、誤肢がすべて別の手続きで利用する制度である。手帳の役割で切る。
5分で振り返る
①精神障害者保健福祉手帳=障害の状態を証明するもの、1〜3級。②手帳で受けられるのは所得税・住民税の障害者控除、公共料金と交通機関の割引、障害者雇用率のカウント。③障害福祉サービスは支給決定によって利用し、手帳は要件ではない。行動援護は介護給付で障害支援区分の認定が要る。共同生活援助は訓練等給付で、原則として区分の認定を要しない。④自立支援医療(精神通院)も別に申請する。⑤申請は初診から6か月経過後、有効期間は2年。⑥判定は精神保健福祉センター。⑦取得には抵抗感を持つ人もおり、本人の意思が尊重される。
1分チェック
- 手帳の交付で適用されるのは。→ 所得税の障害者控除(税制上の優遇、割引、雇用のカウント)。
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