都道府県知事に対し、精神科病院に医療保護入院となっている患者の退院請求を することができるのはどれか。
公式正答:3
解説
都道府県知事に対し、精神科病院に医療保護入院となっている患者の退院請求をすることができるものを問う。患者本人である。
この問題で問われていること
権利を行使できる者を、法の規定として把握しているか。
しくみから理解する
精神保健福祉法では、精神科病院に入院中の者またはその家族等は、都道府県知事に対して、退院の請求、あるいは処遇の改善のために必要な措置を採ることを請求できると定めている。つまり、患者本人が直接請求できる。この請求は精神医療審査会で審査され、入院の必要性と処遇の妥当性が判断される。本人の同意によらない入院において、本人が自ら異議を申し立てられる仕組みを保証している点に、この制度の意義がある。
選択肢ごとの確認
警察官は請求権者ではない。警察官には、精神障害のために自傷他害のおそれがあると認められる者を発見した場合の通報義務(同法第23条通報)があるが、退院請求の権限はない。
検察官も請求権者ではない。検察官には、精神障害者またはその疑いのある被疑者・被告人について、不起訴処分や裁判の確定の際の通報義務(同法第24条通報)があるが、退院請求はできない。
精神保健福祉士は請求権者ではない。ただし、患者が請求できることを知らせ、手続きを支援する立場にはある。実際には、本人が制度を知らなければ請求できないため、支援者が情報を伝えることが権利の実現につながる。
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混同しやすいポイント
『誰の権利か』を考える。退院請求は、本人の身体の自由に関わる権利であり、本人と家族等が行使できる。誤肢は、通報の義務を負う者(警察官、検察官)と、支援する専門職になっている。義務を負うことと、権利を行使できることは別である、という区別が要点になる。
理解を深める
入院中の患者の権利として、法は次のものを定めている。①退院請求と処遇改善請求ができること、②信書の発受は制限できないこと、③都道府県および地方法務局その他の人権擁護に関する行政機関の職員、そして代理人である弁護士との電話と面会は制限できないこと、④入院時に、これらの権利について書面で知らされること。信書と、行政機関・弁護士との連絡が絶対的に制限できないのは、外部への訴えの経路を確保するためで、閉鎖的な環境における権利擁護の最後の砦になる。精神医療審査会は、精神障害者の医療と保護に関する学識経験者、法律家、そして精神保健福祉に関する学識経験者で構成され、都道府県に置かれる。定期病状報告と医療保護入院の届出の審査も行う。看護師の役割としては、患者が自分の入院形態と権利を理解しているかを確認し、疑問があれば説明し、請求の意思があれば手続きにつなぐことがある。「訴えたい」という言葉を、問題行動としてではなく権利の行使として受け止める姿勢が求められる。
間違えやすい考え方
権利者を問う型で、誤肢が通報の義務を負う者と支援する専門職である。誰の権利かで切る。
5分で振り返る
①退院請求と処遇改善請求は、入院中の本人または家族等が都道府県知事に対して行える。②精神医療審査会が審査する。③警察官(第23条通報)と検察官(第24条通報)は通報の義務を負うが請求権者ではない。④精神保健福祉士は支援する立場。⑤信書の発受は制限できない。⑥行政機関の職員と代理人である弁護士との電話・面会は制限できない。⑦入院時に権利を書面で知らせる義務がある。
1分チェック
- 退院請求ができるのは。→ 患者本人と家族等(都道府県知事に対して)。
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