サイコロジカルファーストエイド〈Psychological First Aid:PFA〉について正し いのはどれか。
公式正答:1
解説
サイコロジカルファーストエイド(心理的応急処置)について正しいものを問う。活動の原則は、見る、聞く、つなぐであることである。
この問題で問われていること
枠組みの原則と、実施の条件を把握しているか。
しくみから理解する
サイコロジカルファーストエイドは、災害や事故、事件などの直後に、苦痛を経験した人に対して行う人道的で支持的な関わりの枠組みである。世界保健機関の手引きでは、活動の原則を「見る(安全と、明らかに緊急を要する人、深刻な苦痛のある人を確認する)」「聞く(近づき、必要としているものを尋ね、話に耳を傾け、落ち着けるよう手助けする)」「つなぐ(必要なサービスと情報、大切な人とのつながり、そして自分で対処する力に結びつける)」の3つとしている。専門的な心理療法ではなく、誰もが学んで実施できる枠組みである点が特徴になる。
選択肢ごとの確認
発災から1週間経過してからではなく、直後から行う。危機的な出来事に直面した人と接するあらゆる場面で用いられる枠組みであり、時期を限定するものではない。
派遣要請に基づく活動という限定もない。医療者だけでなく、支援に関わるすべての人が、その場で実施できるものになる。派遣要請に基づいて活動するのは、災害派遣医療チームや災害派遣精神医療チームといった組織的な派遣の仕組みになる。
苦痛の原因となった出来事を詳細に話すことを促してはならない。これは明確な原則で、無理に語らせることは再体験による苦痛を強め、症状を悪化させうる。かつて行われた心理的デブリーフィング(出来事を詳細に語らせる集団介入)は、有効性が示されず、むしろ有害でありうるとして推奨されなくなった。話したい人の話を聞くことと、話すことを促すことは別である。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
誤肢は、時期の限定、実施者の限定、そして語らせることの推奨という3つの誤りになっている。この枠組みの本質は、誰でも、直後から、その場で行える、押しつけない支援にある。とくに「無理に語らせない」という原則は、善意から逆のことをしてしまいがちな点であり、明確に押さえておく必要がある。
理解を深める
実際の関わりでは、まず安全を確保し、基本的な必要(水、食料、寒暖、休息の場、トイレ、情報)を満たすことが優先される。心の支援は、生活の基盤が整ってこそ成り立つ。そのうえで、そばにいる、話したいことがあれば聞く、事実に基づく情報を伝える、家族や知人との連絡を助ける、必要な機関につなぐ、といった関わりを行う。避けるべきこととしては、無理に話を聞き出す、「頑張って」「もっとひどい人もいる」といった言葉をかける、専門用語で説明する、約束できないことを約束する、自分の体験を長く語る、といったことがある。支援者自身の心のケアも枠組みに含まれており、活動時間の管理、交代、そして活動後の振り返りの場が必要になる。子ども、高齢者、障害のある人、外国人といった、支援が届きにくい人へ意識的に目を向けることも原則の一部になる。
間違えやすい考え方
枠組みを問う型で、誤肢が時期・実施者・語らせることの誤りである。3原則と押しつけない姿勢で切る。
5分で振り返る
①活動の原則は「見る」「聞く」「つなぐ」の3つ。②発災直後から、誰でも、その場で実施できる(時期も実施者も限定されない)。③苦痛の原因となった出来事を詳細に語らせない(心理的デブリーフィングは推奨されない)。④まず安全と基本的な必要(水、食料、休息、情報)を満たす。⑤避けるべきは、無理に聞き出す、安易な励まし、約束できない約束。⑥支援者自身のケアも枠組みに含まれる。⑦子ども、高齢者、障害のある人、外国人へ意識的に目を向ける。
1分チェック
- サイコロジカルファーストエイドの3原則は。→ 見る、聞く、つなぐ。無理に語らせない。
この問題に対応する教材の確認中です。