外傷や風邪で発熱し、解熱するまでの体温のセットポイントと実際の体温(核心 温度)の変化の例を図に示す。 全身のふるえが起こるのはどれか。
公式正答:2
解説
ふるえが起こるのは、セットポイントが上がったのに実際の体温がまだ追いついていない時期。発熱の上がり始めにあたる。
この問題で問われていること
発熱の経過を、セットポイントと実際の体温の差という観点で読めるか。悪寒とふるえがなぜ起こるのかを説明できるか。
しくみから理解する
感染などで内因性発熱物質が産生されると、プロスタグランジンE2を介して視床下部のセットポイントが上がる。この瞬間、実際の体温はまだ低いままなので、体は「寒い」と判断する。そこで産熱を増やし放熱を減らす反応が総動員される。これが悪寒(寒気)とふるえ、そして皮膚血管収縮による顔面蒼白・四肢冷感である。やがて体温がセットポイントに追いつくと、ふるえは止まって高体温が維持される(極期)。原因が取り除かれてセットポイントが下がると、今度は実際の体温のほうが高い状態になるので、発汗と皮膚血管拡張で熱を逃がして解熱する。 【接地元】ガイトン生理学 体温、体温調節、発熱、人体の構造と機能 第5版 体温調節
選択肢ごとの確認
差がないので体温を上げる必要がなく、ふるえは起こらない。
体は「寒い」と判断して産熱を最大化する。ふるえと悪寒が起こるのはここ。
差がなくなるのでふるえは止まる。高体温のまま維持される。患者は寒気を訴えなくなり、むしろ熱感を訴える。
体は「暑い」と判断し、発汗と皮膚血管拡張で熱を逃がす。ふるえは起こらない。
差がないので体温調節の強い反応は起こらない。
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混同しやすいポイント
「熱があるのに寒がる」という一見矛盾した現象が、セットポイントと実際の体温の差で説明できる。差がある向きで反応が決まる。セットポイント>実体温なら産熱(ふるえ)、セットポイント<実体温なら放熱(発汗)。
理解を深める
この理解はそのまま看護のケアになる。上昇期(悪寒・ふるえ)では体は熱を上げようとしているので、保温して寒気を和らげる。ここで冷罨法をすると、体はさらに熱を上げようとして消耗する。極期では熱がこもっているので、掛け物を減らし、必要なら冷罨法を行う。解熱期は大量に発汗するので、水分と電解質を補い、寝衣とシーツを交換して保清する。同じ「発熱」でも時期によって正反対のケアになる。時期の見分け方は、患者が寒気を訴えているか熱感を訴えているかで判断できる。
間違えやすい考え方
グラフを読む問題に見えて、実質は発熱の3期(上昇期・極期・解熱期)の理解を問う型。図がなくても「ふるえ=セットポイントに追いついていない時期」と答えられる。
5分で振り返る
発熱=プロスタグランジンE2が視床下部のセットポイントを上げる。①上昇期:セットポイント>実体温→悪寒・ふるえ・皮膚血管収縮。ケアは保温。②極期:両者が一致→ふるえが止まり高体温を維持。熱感を訴える。ケアは冷罨法と掛け物の調整。③解熱期:セットポイント<実体温→発汗・皮膚血管拡張。ケアは水分電解質の補給と保清。時期の判断は患者が寒気を訴えるか熱感を訴えるかで行う。
1分チェック
- ふるえが起こるのは発熱のどの時期か
- そのとき患者は寒気と熱感のどちらを訴えるか
- 極期にふるえが止まるのはなぜか
- 解熱期に起こる体温調節反応は何か
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