感染症と代表的な原因ウイルスの組合せで正しいのはどれか。
公式正答:4
解説
感染症と代表的な原因ウイルスの組合せで正しいものを問う。伝染性単核球症とEpstein-Barr〈EB〉ウイルスの組合せである。
この問題で問われていること
ウイルスと疾患を正確に対応づけられるか。
しくみから理解する
伝染性単核球症は、EBウイルスの初感染によって生じる。思春期から若年成人に多く、発熱、咽頭痛、頸部リンパ節腫脹を三徴とし、肝脾腫、異型リンパ球の増加、肝機能異常を伴う。唾液を介して感染するため「キス病」とも呼ばれる。この疾患でペニシリン系抗菌薬(とくにアンピシリン)を投与すると、高率に皮疹が出現するため、扁桃炎と誤って抗菌薬を投与しないよう注意が要る。脾破裂の危険があるため、経過中は激しい運動と腹部への衝撃を避ける。
選択肢ごとの確認
手足口病の原因はアデノウイルスではなく、コクサッキーウイルスA群やエンテロウイルス71になる。手のひら、足底、口腔内に水疱性の発疹が出る。
咽頭結膜熱(プール熱)の原因はヒトパピローマウイルスではなくアデノウイルスになる。発熱、咽頭炎、結膜炎を三徴とし、プールを介した流行がみられる。ヒトパピローマウイルスは子宮頸癌と尖圭コンジローマの原因になる。
突発性発疹症の原因はコクサッキーウイルスではなくヒトヘルペスウイルス6型(および7型)になる。生後6か月から2歳頃に、高熱が3日ほど続いた後、解熱とともに全身に発疹が出る。
ヘルパンギーナの原因は単純ヘルペスウイルスではなくコクサッキーウイルスA群になる。夏に流行し、発熱と口腔内後方(軟口蓋、口蓋弓)の水疱と潰瘍を特徴とする。名称にヘルペスが含まれるため紛らわしいが、原因ウイルスは異なる。
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混同しやすいポイント
小児の代表的なウイルス感染症を、原因と特徴で整理する。手足口病=コクサッキーA群、エンテロウイルス71(手足口の水疱)。ヘルパンギーナ=コクサッキーA群(口腔内後方の水疱、夏)。咽頭結膜熱=アデノウイルス(発熱、咽頭炎、結膜炎)。突発性発疹症=ヒトヘルペスウイルス6型(高熱の後に発疹)。伝染性紅斑=ヒトパルボウイルスB19(頬の紅斑)。伝染性単核球症=EBウイルス。麻疹=麻疹ウイルス(コプリック斑)。風疹=風疹ウイルス。水痘=水痘帯状疱疹ウイルス。流行性耳下腺炎=ムンプスウイルス。
理解を深める
学校保健安全法施行規則では、これらの感染症の出席停止の期間が定められている。第二種として、インフルエンザ(発症後5日を経過し、かつ解熱後2日、幼児は3日)、百日咳、麻疹(解熱後3日)、流行性耳下腺炎(耳下腺等の腫脹後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで)、風疹(発疹が消失するまで)、水痘(すべての発疹が痂皮化するまで)、咽頭結膜熱(主要症状が消退した後2日)、結核、髄膜炎菌性髄膜炎が挙げられている。手足口病、ヘルパンギーナ、伝染性紅斑、突発性発疹症は第三種の「その他の感染症」として、病状により学校医が判断する。これらは症状が軽快しても長期にウイルスが排泄されることがあり、一律の出席停止では流行を防げないためで、日常的な手洗いが基本の対策になる。
間違えやすい考え方
組合せを問う型で、誤肢がすべてウイルスを入れ替えたものである。疾患とウイルスの対応表で切る。
5分で振り返る
①伝染性単核球症=EBウイルス。発熱・咽頭痛・頸部リンパ節腫脹、肝脾腫、異型リンパ球。②アンピシリンで高率に皮疹が出るため注意、脾破裂の危険で激しい運動を避ける。③手足口病とヘルパンギーナ=コクサッキーA群。④咽頭結膜熱=アデノウイルス。⑤突発性発疹症=ヒトヘルペスウイルス6型。⑥伝染性紅斑=ヒトパルボウイルスB19。⑦学校保健安全法の第二種は出席停止の期間が定められ、手足口病などは第三種で学校医が判断する。
1分チェック
- 伝染性単核球症の原因は。→ EBウイルス(発熱・咽頭痛・頸部リンパ節腫脹、異型リンパ球)。
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