市町村による大腸がん〈colon cancer〉 検診の項目はどれか。2つ選べ。
公式正答:1・4
解説
市町村による大腸がん検診の項目を2つ問う。問診と便潜血検査である。
この問題で問われていること
対策型検診の標準的な項目を把握しているか。
しくみから理解する
市町村が実施する対策型のがん検診では、有効性が確認された方法だけが用いられる。大腸がん検診は、40歳以上を対象に年1回、問診と便潜血検査(免疫法、2日法)で行われる。便潜血検査は、簡便で非侵襲的、費用が低く、大規模に実施でき、そして死亡率を減らす効果が証明されている。陽性となった場合に精密検査として大腸内視鏡検査を受ける、という二段構えの仕組みになっている。
選択肢ごとの確認
直腸診は、対策型検診の項目に含まれない。触知できる範囲が限られ、集団検診としての有効性が示されていない。
血液検査(腫瘍マーカーを含む)も検診の項目ではない。CEAなどの腫瘍マーカーは、早期発見の感度と特異度が不十分で、検診には適さない。診断後の経過観察や再発の判定には用いられる。
腹部エックス線検査も含まれない。大腸の描出には注腸造影が必要になるが、これも対策型検診の標準的な方法ではない。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
対策型検診の5つ(胃、大腸、肺、乳、子宮頸部)と、その方法を一覧で覚える。胃=問診と胃部エックス線検査または胃内視鏡検査(50歳以上、2年に1回。エックス線は40歳以上で年1回も可)。大腸=問診と便潜血検査(40歳以上、年1回)。肺=質問(問診)と胸部エックス線検査、必要に応じて喀痰細胞診(40歳以上、年1回)。乳=問診とマンモグラフィ(40歳以上、2年に1回)。子宮頸部=問診、視診、子宮頸部の細胞診、内診(20歳以上、2年に1回)。対象年齢と間隔も併せて押さえる。
理解を深める
検診には、対策型検診と任意型検診がある。対策型は、集団全体の死亡率を下げることを目的として公共的に実施されるもので、有効性が証明され、不利益(偽陽性、過剰診断、偶発症)が利益を上回らない方法だけが採用される。任意型は、個人の判断で受けるもの(人間ドックなど)で、方法の選択肢は広いが、有効性が確立していない検査も含まれる。検診には利益だけでなく不利益もあることを理解しておく必要がある。偽陽性による不安と精密検査の負担、偽陰性による安心の誤り、過剰診断(生命を脅かさない病変を見つけて治療してしまう)、そして検査自体の偶発症である。受診率の向上が課題で、日本のがん検診受診率は諸外国より低い水準にとどまっている。看護職は、検診の意義と限界を正確に伝え、受診しやすい環境づくり(時間、費用、場所、説明)に関わる。便潜血検査で陽性となった人が精密検査を受けないまま放置することも問題で、その受診勧奨も重要な役割になる。
間違えやすい考え方
2つ選べの型で、誤肢が有効性の示されていない検査である。対策型検診の標準的な方法で切る。
5分で振り返る
①大腸がん検診=問診と便潜血検査(免疫法、2日法)、40歳以上、年1回。②陽性なら精密検査として大腸内視鏡検査。③直腸診、腫瘍マーカー、腹部エックス線は対策型検診の項目ではない。④対策型の5つ=胃、大腸、肺、乳、子宮頸部。⑤胃は50歳以上2年に1回(内視鏡)、乳は40歳以上2年に1回、子宮頸部は20歳以上2年に1回。⑥検診には偽陽性、偽陰性、過剰診断という不利益もある。⑦陽性者が精密検査を受けるよう勧奨することも重要。
1分チェック
- 大腸がん検診の項目は。→ 問診と便潜血検査(40歳以上、年1回)。
この問題に対応する教材の確認中です。