Sjögren〈シェーグレン〉症候群 Sjögren syndrome でリンパ球が浸潤して障害が起こるのはどれか。 2つ選べ。
公式正答:2・4
解説
シェーグレン症候群でリンパ球が浸潤して障害が起こるものを2つ問う。涙腺と唾液腺である。
この問題で問われていること
自己免疫による標的臓器を把握しているか。
しくみから理解する
シェーグレン症候群は、外分泌腺、とくに涙腺と唾液腺にリンパ球が浸潤して組織が破壊され、分泌が低下する自己免疫疾患である。その結果、眼の乾燥(乾燥性角結膜炎:目がゴロゴロする、疲れる、涙が出ない)と、口の乾燥(口腔乾燥症:口が渇く、食物が飲み込みにくい、話しづらい、味が分かりにくい)が生じる。中年女性に多く、関節リウマチや全身性エリテマトーデスに合併することもある(二次性シェーグレン症候群)。
選択肢ごとの確認
胸腺は、T細胞が成熟する一次リンパ器官である。重症筋無力症では胸腺腫や胸腺の過形成が関与するが、シェーグレン症候群の標的臓器ではない。
甲状腺は、橋本病(慢性甲状腺炎)やバセドウ病の標的になる。シェーグレン症候群に橋本病が合併することはあるが、シェーグレン症候群そのものが甲状腺を障害するわけではない。
副甲状腺も標的ではない。副甲状腺の疾患としては、腺腫による原発性副甲状腺機能亢進症や、腎不全に伴う二次性副甲状腺機能亢進症がある。
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混同しやすいポイント
自己免疫疾患を、標的となる臓器で整理する。シェーグレン症候群=涙腺と唾液腺(外分泌腺)。橋本病とバセドウ病=甲状腺。重症筋無力症=神経筋接合部のアセチルコリン受容体。1型糖尿病=膵β細胞。関節リウマチ=関節滑膜。全身性エリテマトーデス=全身(腎、皮膚、関節、血液など多臓器)。多発性硬化症=中枢神経の髄鞘。悪性貧血=胃壁細胞と内因子。この対応表を持っておくと、標的臓器から疾患を、疾患から症状を導ける。
理解を深める
シェーグレン症候群の看護では、乾燥への対応が中心になる。眼には、人工涙液の点眼、加湿、エアコンの風を避ける、パソコン作業時の意識的な瞬き、必要に応じた涙点プラグ。口腔には、こまめな水分摂取、人工唾液や保湿ジェル、唾液腺のマッサージ、酸味のある食品やガムによる唾液分泌の促進、そして徹底した口腔ケアがある。唾液の自浄作用が失われるため、う蝕と歯周病、口腔カンジダ症のリスクが著しく高まり、歯科との連携が欠かせない。食事では、水分の多い調理、とろみ、汁物を添えるといった工夫をする。乾燥は腟にも及び、性交痛の原因になるため、必要に応じて相談に応じる。全身症状として、倦怠感、関節痛、レイノー現象、間質性肺炎、腎尿細管性アシドーシス、そして悪性リンパ腫の合併リスクの上昇が知られている。指定難病であり、医療費助成の対象になる。乾燥という症状は他者に理解されにくく、「気のせい」「年のせい」とされやすいため、症状の妥当性を認めることも支援の一部になる。
間違えやすい考え方
2つ選べの型で、誤肢が別の自己免疫疾患の標的臓器である。標的臓器の対応表で切る。
5分で振り返る
①シェーグレン症候群=涙腺と唾液腺にリンパ球が浸潤し分泌が低下する自己免疫疾患。②症状は乾燥性角結膜炎と口腔乾燥症。中年女性に多い。③関節リウマチや全身性エリテマトーデスに合併することがある(二次性)。④胸腺は重症筋無力症、甲状腺は橋本病とバセドウ病の標的。⑤唾液の自浄作用が失われ、う蝕・歯周病・口腔カンジダのリスクが高い。⑥人工涙液、人工唾液、口腔ケア、歯科との連携。⑦悪性リンパ腫の合併リスクが上昇する。指定難病。
1分チェック
- シェーグレン症候群の標的は。→ 涙腺と唾液腺(外分泌腺)。眼と口の乾燥が主症状。
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