高齢者の基本的日常生活動作〈BADL〉で評価する内容はどれか。2つ選べ。
公式正答:1・3
解説
高齢者の基本的日常生活動作(BADL)で評価する内容を2つ問う。整容と階段昇降である。
この問題で問われていること
基本的日常生活動作と手段的日常生活動作を区別できるか。
しくみから理解する
基本的日常生活動作は、生活を営むうえで最低限必要な、身の回りの動作を指す。食事、排泄、入浴、更衣、整容(洗顔、歯磨き、整髪、爪切り、ひげそり)、移動と移乗、そして歩行や階段昇降が含まれる。バーセルインデックスでは、食事、車椅子とベッド間の移乗、整容、トイレ動作、入浴、歩行、階段昇降、更衣、排便コントロール、排尿コントロールの10項目で評価する。整容と階段昇降はいずれもこの項目に含まれる。
選択肢ごとの確認
意思疎通は、基本的日常生活動作の項目ではない。コミュニケーション能力として別に評価され、認知機能の評価や、機能的自立度評価法(FIM)では認知項目として扱われる。
金銭管理は手段的日常生活動作(IADL)になる。判断力と計算、社会的な手続きを要する複雑な活動であり、基本的日常生活動作より高次になる。
服薬管理も手段的日常生活動作になる。薬の種類と時間を理解し、管理し、実行する必要があり、認知機能に強く依存する。
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混同しやすいポイント
2つの水準を区別する。基本的日常生活動作=食事、排泄、入浴、更衣、整容、移動・移乗、歩行、階段昇降(身の回りの動作)。手段的日常生活動作=買い物、調理、洗濯、掃除、金銭管理、服薬管理、電話、交通機関の利用(複雑で判断を要する活動)。誤肢のうち、金銭管理と服薬管理は手段的日常生活動作、意思疎通はどちらでもない別の領域になる。
理解を深める
評価尺度としては、基本的日常生活動作にバーセルインデックス(100点満点、10項目)とカッツインデックスがあり、より詳細な評価には機能的自立度評価法(FIM。運動13項目と認知5項目、各1〜7点)が用いられる。手段的日常生活動作には、老研式活動能力指標やロートンの尺度がある。評価の際は、「できるかどうか(能力)」と「実際にしているかどうか(実行状況)」を区別することが重要になる。できるのにしていない場合、その理由(意欲、環境、周囲の過剰な介助、危険への恐れ)を探る必要がある。過剰な介助は、できることを奪い、廃用を進める。逆に、できないことを求め続ければ、失敗体験と危険を招く。この見極めが、自立支援の要になる。評価は一度で終わらせず、経時的に行って変化を捉える。急な低下があれば、疾患の悪化、薬剤の影響、せん妄、抑うつ、環境の変化といった原因を考える。
間違えやすい考え方
2つ選べの型で、誤肢が手段的日常生活動作と別の領域である。2つの水準の区別で切る。
5分で振り返る
①基本的日常生活動作(BADL)=食事、排泄、入浴、更衣、整容、移動・移乗、歩行、階段昇降。②手段的日常生活動作(IADL)=買い物、調理、洗濯、掃除、金銭管理、服薬管理、電話、交通機関。③意思疎通はコミュニケーションとして別に評価する。④評価尺度はバーセルインデックス(10項目)、カッツインデックス、機能的自立度評価法。⑤「できる(能力)」と「している(実行状況)」を区別する。⑥過剰な介助はできることを奪う。⑦急な低下があれば疾患・薬剤・せん妄・抑うつ・環境を考える。
1分チェック
- 基本的日常生活動作に含まれるのは。→ 食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動・歩行・階段昇降。
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