心電図波形(別冊No. 1)を別に示す。 心室頻拍〈ventricular tachycardia〉はどれか。
公式正答:4
解説
心電図波形の図から心室頻拍を選ぶ。正答は4である。
この問題で問われていること
代表的な不整脈の波形を特徴で判別できるか。
しくみから理解する
心室頻拍は、心室内の異所性興奮によって生じる頻脈性の不整脈である。刺激伝導系を通らずに心室筋を伝わるため興奮の伝播に時間がかかり、QRS波の幅が広くなる(0.12秒以上)。この幅広いQRS波が規則的に連続して速く現れる波形が特徴である。P波は独立して存在するか、QRS波に埋もれて判別できない。血行動態が破綻すれば無脈性心室頻拍となり、電気ショック(除細動)の適応になる。放置すると心室細動へ移行しうるため、緊急性が高い。
選択肢ごとの確認
該当しない波形。正常洞調律や他の不整脈が並べられている。
該当しない波形。心房細動(P波が消失し基線が細かく揺れ、RR間隔が不規則)や心房粗動(鋸歯状のF波)などが候補として置かれる。
該当しない波形。心室細動(不規則で大小さまざまな波が連続し、QRS波を判別できない)や房室ブロックなどが候補になる。
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混同しやすいポイント
幅の広いQRS波(wide QRS)が続く頻拍を見たら心室由来を疑う、というのが基本の読み方である。心室頻拍と心室細動の区別も重要で、心室頻拍は幅広いQRS波が規則的に連続するのに対し、心室細動は波形が不規則でQRS波として認識できない。どちらも致死的だが、心室細動は必ず無脈で直ちに除細動、心室頻拍は脈があるかどうかで対応が分かれる。
理解を深める
心停止の心電図は4つに分けられ、対応が異なる。心室細動と無脈性心室頻拍はショック適応リズムで、電気ショックを行う。無脈性電気活動と心静止はショック非適応リズムで、電気ショックは行わず胸骨圧迫とアドレナリン投与を続ける。この区別が二次救命処置のアルゴリズムの起点になる。看護では、モニター波形の変化に気づくこと、波形だけでなく必ず脈と意識を確認すること(モニターの波形が出ていても脈がないことがある)、除細動器の準備と安全確認が求められる。
間違えやすい考え方
図から波形を選ぶ形式だが、問われているのは『幅広いQRSが規則的に連続する』という特徴の記憶である。図が読めなくても波形の言語的な記述を持っていれば対応できる。
5分で振り返る
①心室頻拍=幅広いQRS(0.12秒以上)が規則的に連続。②心室細動=不規則でQRSを判別できない。③ショック適応は心室細動と無脈性心室頻拍。④非適応は無脈性電気活動と心静止。⑤波形だけでなく脈と意識を必ず確認する。
1分チェック
- 心室頻拍の波形の特徴は何か。→ 幅の広いQRS波が規則的に速く連続する。
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