午前 問1段階1 暗記
日本の令和4年(2022 年)の生産年齢人口の構成割合に最も近いのはどれか。
解説
日本の生産年齢人口の構成割合に最も近いものを問う。約60%である。
この問題で問われていること
年齢3区分の人口構成を割合で把握しているか。
しくみから理解する
人口を年齢で3つに区分する。年少人口は15歳未満、生産年齢人口は15〜64歳、老年人口は65歳以上である。現在の日本では、年少人口が約12%、生産年齢人口が約59〜60%、老年人口が約29%という構成になっている。生産年齢人口は1990年代半ばをピークに減少を続けており、老年人口の増加と合わせて、社会保障の担い手と受け手のバランスが変化している。
選択肢ごとの確認
選択肢 1低すぎる。4割では、残り6割を年少人口と老年人口で占めることになり、実際の構成と合わない。
選択肢 2やや低い。半数では老年人口が4割近くになる計算で、現状より高齢化が進んだ水準を想定することになる。
選択肢 4高すぎる。7割は高度経済成長期から1990年代前半の水準に近く、その後の少子高齢化で低下している。
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混同しやすいポイント
3区分の境界年齢(15歳と65歳)を正確に覚える。また『生産年齢人口』と『労働力人口』は別の概念で、後者は15歳以上の就業者と完全失業者の合計であり、学生や専業主婦、高齢の非就業者は含まれない。混同しやすい。
理解を深める
年齢3区分から導かれる指標も頻出である。年少人口指数=年少人口÷生産年齢人口×100、老年人口指数=老年人口÷生産年齢人口×100、従属人口指数=(年少人口+老年人口)÷生産年齢人口×100、老年化指数=老年人口÷年少人口×100。分母が生産年齢人口である3つと、老年化指数だけ分母が年少人口である点を区別する。人口ピラミッドは、かつての富士山型からつぼ型へ変化しており、これは出生数の減少と長寿化を反映している。
間違えやすい考え方
統計の割合を問う型で、選択肢が10%刻みで並ぶ。順位ではなく水準の記憶が要る。『年少12・生産60・老年29』の3つをセットで持つと、どの区分を問われても答えられる。
5分で振り返る
①年少人口=15歳未満(約12%)。②生産年齢人口=15〜64歳(約60%)。③老年人口=65歳以上(約29%)。④労働力人口とは別概念。⑤老年化指数だけ分母が年少人口。⑥人口ピラミッドはつぼ型。
1分チェック
- 生産年齢人口は総人口の何%か。→ 約60%(15〜64歳)。
この問題だけを開く午前 問2段階2 理解
平均寿命で正しいのはどれか。
解説
平均寿命について正しいものを問う。0歳の平均余命である。
この問題で問われていること
平均余命と平均寿命の関係を定義として理解しているか。
しくみから理解する
平均余命とは、ある年齢の人が、その後平均してあと何年生きられるかを示した値である。生命表から算出される。このうち0歳の平均余命を特に平均寿命と呼ぶ。つまり平均寿命は、その年に生まれた子が平均して何年生きるかを表す。実際に死亡した人の年齢を平均したものではない点が重要で、生命表は現在の年齢別死亡率がこの先も続くと仮定して計算される仮想的な集団の値である。
選択肢ごとの確認
選択肢 250歳の平均余命は、50歳の人があと何年生きるかを示す別の値である。平均寿命は0歳に限定される。
選択肢 3死亡者の平均年齢は、実際に亡くなった人の年齢を平均した値で、平均寿命とは異なる。乳児死亡が多い社会では平均寿命が大きく下がるが、死亡者の平均年齢とは別の動きをする。
選択肢 4健康寿命は、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を指す別の指標である。平均寿命との差が、支援や介護を要する期間の目安になる。
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混同しやすいポイント
平均寿命と健康寿命の違いは頻出である。日本では平均寿命が男性約81年・女性約87年、健康寿命は男性約73年・女性約75年で、その差は男性で約9年、女性で約12年ある。この差を縮めることが健康日本21などの政策目標になっている。また、高齢者の平均余命は0歳の平均余命から経過年数を引いた値にはならない(すでに一定年齢まで生きた人はその後も長く生きる傾向がある)点も押さえる。
理解を深める
生命表には、毎年作成される簡易生命表と、国勢調査の年に作成される完全生命表がある。平均寿命は、その年の死亡状況を表す指標として国際比較に用いられ、日本は世界でも高い水準にある。平均寿命の延伸には、乳児死亡率の低下、感染症対策、生活習慣病対策、医療の進歩が寄与してきた。一方で、長い高齢期をどう過ごすかという課題が生じており、健康寿命の延伸、介護予防、社会参加の維持が重視されている。
間違えやすい考え方
定義を問う型で、誤肢が『別の年齢の平均余命』『実測の平均年齢』『別の指標』という3方向で作られている。定義を一文(0歳の平均余命)で持っていれば確実。
5分で振り返る
①平均余命=ある年齢の人があと何年生きるかの平均。②平均寿命=0歳の平均余命。③死亡者の平均年齢とは別。④健康寿命=日常生活に制限のない期間、平均寿命との差は男性約9年・女性約12年。⑤生命表は簡易(毎年)と完全(国勢調査年)。
1分チェック
この問題だけを開く午前 問3段階1 暗記
令和元年(2019 年)の国民健康・栄養調査で、運動習慣のある割合が最も高いの はどれか。
解説
国民健康・栄養調査で運動習慣のある割合が最も高い年代を問う。70歳以上である。
この問題で問われていること
運動習慣の年代別分布の傾向を把握しているか。
しくみから理解する
運動習慣のある者とは、1回30分以上の運動を週2回以上、1年以上継続している者をいう。年代別にみると、若年から中年では仕事や育児で時間が取れず割合が低く、20〜40歳代で最も低い。定年退職後は時間の余裕ができ、健康への関心も高まるため、70歳以上で最も高くなる。男女とも同様の傾向を示す。
選択肢ごとの確認
選択肢 1体力はあるが、運動習慣として継続している者の割合は低い。仕事や生活の忙しさが背景にある。
選択肢 2最も低い年代の一つである。働き盛りで仕事と家庭の負担が大きく、運動の時間を取りにくい。生活習慣病のリスクが高まる年代でもあり、対策上の重要な層になる。
選択肢 3若年より高いが、70歳以上には及ばない。退職の時期にあたり、生活の変化とともに運動習慣が形成されていく途中の年代である。
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混同しやすいポイント
『体力があるほど運動している』という直感が誤肢を選ばせる。実際は、運動習慣の有無は時間の余裕と健康への関心で決まり、高齢者ほど高い。ただし、運動の強度と量は高齢者のほうが少なく、『習慣として続けているか』を測っている指標である点に注意する。
理解を深める
国民健康・栄養調査は健康増進法に基づき厚生労働省が毎年実施する。身体状況(身長、体重、血圧、血液検査)、栄養摂取状況、生活習慣(食事、運動、休養、飲酒、喫煙、歯の健康)を調べる。この調査から、食塩摂取量、野菜摂取量、朝食欠食率、喫煙率、飲酒習慣、運動習慣、歩数といった指標が得られ、健康日本21の評価に使われる。看護では、生活習慣病の予防指導にあたって、対象者の年代の一般的な傾向を知っておくと、実行可能な提案がしやすくなる。働き盛り世代には、通勤や家事に運動を組み込む工夫が現実的である。
間違えやすい考え方
年代別の統計を問う型で、直感と逆の傾向が答えになっている。『時間の余裕と関心』という要因で考えれば導ける。
5分で振り返る
①運動習慣=1回30分以上・週2回以上・1年以上継続。②70歳以上が最も高い。③20〜40歳代が最も低い。④調査は国民健康・栄養調査(健康増進法に基づく毎年実施)。⑤働き盛り世代には生活に組み込む工夫を勧める。
1分チェック
- 運動習慣のある割合が最も高い年代は。→ 70歳以上。
この問題だけを開く午前 問4段階2 理解
高齢者の転倒予防のための環境づくりで適切なのはどれか。
解説
高齢者の転倒予防のための環境づくりで適切なものを問う。廊下に手すりをつけることである。
この問題で問われていること
転倒の要因を環境の側から捉え、危険を減らす工夫を選べるか。
しくみから理解する
加齢により下肢筋力とバランス能力が低下し、視力も落ちるため、わずかな段差や不安定な足場でも転倒しやすくなる。手すりは、移動中に確実に握れる支持点を提供し、バランスを崩したときに立て直す助けになる。廊下は移動の主要な動線で、夜間のトイレ移動でも使われるため、ここに手すりを設けることは効果が大きい。設置は介護保険の住宅改修の対象にもなる。
選択肢ごとの確認
選択肢 1マットは端がめくれてつまずきの原因になり、また滑って足元が不安定になる。とくに玄関は段差があり靴の着脱で片足立ちになる場所で、危険が重なる。敷くなら滑り止め付きで縁のないものを選ぶが、なくすほうが安全である。
選択肢 3逆である。暗さは段差や障害物を見えなくし、転倒の主要な要因になる。夜間は足元灯を点けておく。高齢者は暗順応(暗さに目が慣れること)に時間がかかるため、急に暗い場所へ入ると特に見えにくい。
選択肢 4座ろうとしたときや立ち上がるときに椅子が動き、転倒の原因になる。高齢者が使う椅子は、動かず、肘掛けがあり、座面の高さが適切なものを選ぶ。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
誤肢はいずれも『便利にする』方向の工夫だが、転倒予防の観点では危険を増やす。判断の軸は『足元が安定するか』『動かないか』『見えるか』の3点である。マット・キャスター・消灯は、それぞれこの3点を損なう。
理解を深める
転倒予防は、環境(外的要因)と身体・薬剤(内的要因)の両面から行う。環境では、段差の解消、手すりの設置、照明、床材、履物、家具の配置、コード類の整理がある。内的要因では、下肢筋力とバランスの訓練、視力の確認、めまいの評価、薬剤の見直し(睡眠薬、抗不安薬、降圧薬、抗コリン薬)が挙げられる。高齢者の転倒は大腿骨近位部骨折につながり、それが寝たきりと生命予後の悪化を招くため、予防の意義が大きい。また一度転倒すると、転倒への恐怖から活動を控えるようになり、それがさらに筋力低下を招く悪循環(転倒後症候群)に注意する。
間違えやすい考え方
『適切なのはどれか』型で、誤肢がいずれも生活を便利にする発想で作られている。安全という一点で評価する。
5分で振り返る
①手すりは移動中の支持点、廊下と夜間の動線に有効。②マットはめくれ・滑りでつまずきの原因。③夜間は足元灯を点ける(消さない)。④キャスター付きの椅子は動いて危険。⑤内的要因(筋力・視力・薬剤)への対策も並行する。⑥転倒後症候群の悪循環に注意。
1分チェック
- 高齢者の転倒予防の環境づくりは何か。→ 手すりの設置(動線上に確実な支持点)。
この問題だけを開く午前 問5段階1 暗記
医療保険の給付の対象となるのはどれか。
解説
医療保険の給付の対象となるものを問う。疾病の診察である。
この問題で問われていること
医療保険が何に対して給付されるかという原則を理解しているか。
しくみから理解する
公的医療保険は、疾病または負傷に対する療養の給付を目的とする。したがって、病気やけがを診断し治療するための診察、検査、投薬、処置、手術、入院が給付の対象になる。裏を返せば、病気やけがではないもの、すなわち健康な人に対する予防や検査、美容目的の処置、正常な妊娠・出産は原則として対象外である。この『疾病または負傷に対するものか』という線引きが判断の軸になる。
選択肢ごとの確認
選択肢 2健康な人が自分の健康状態を確かめるために受ける検査であり、疾病の治療ではないため対象外である。全額自己負担となる(保険者や事業主が費用を補助する制度は別にある)。ただし人間ドックで異常が見つかり、その精密検査や治療を行う段階からは保険が適用される。
選択肢 3医師の処方によらず自分で購入する薬は給付の対象外である。なお処方薬は、医師の処方箋に基づく調剤として給付される。セルフメディケーション税制のように、別の仕組みで一部が支援される場合はある。
選択肢 4予防接種法に基づく定期接種は、疾病の予防を目的とするもので医療保険の給付ではない。市町村が実施し、公費で負担される(一部自己負担がある場合もある)。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
『医療機関で行うこと=保険が効く』ではない点が要点である。健診、人間ドック、予防接種、正常分娩、美容整形、診断書の作成は保険外である。正常分娩が保険外であることは、出産育児一時金という別の給付が用意されている理由にもつながる。異常分娩(帝王切開など)は治療にあたるため保険給付になる、という区別も頻出である。
理解を深める
保険外の費用を支える仕組みも押さえておく。出産では出産育児一時金、健診では特定健康診査(医療保険者が実施)や市町村の健診、予防接種では予防接種法に基づく公費負担がある。また保険診療と保険外診療を併用する混合診療は原則禁止だが、保険外併用療養費(評価療養=先進医療や治験、選定療養=差額ベッドや時間外診察、患者申出療養)として例外的に認められる枠組みがある。看護では、患者が費用について不安を抱いたときに、どの制度が使えるかを医療ソーシャルワーカーにつなぐ視点が求められる。
間違えやすい考え方
『対象となるのはどれか』型で、誤肢がいずれも医療に関わる行為である。『疾病または負傷に対するものか』という一点で切る。
5分で振り返る
①給付は疾病または負傷に対するもの。②人間ドック・健診・予防接種・正常分娩・美容目的は対象外。③異常分娩は治療なので保険給付。④正常分娩には出産育児一時金がある。⑤混合診療は原則禁止、保険外併用療養費が例外。
1分チェック
- 医療保険の給付対象は何か。→ 疾病または負傷に対する診察・治療。
この問題だけを開く午前 問6段階2 理解
マズロー, A. H. Maslow, A. H. の基本的欲求の階層で生理的欲求はどれか。
解説
マズローの基本的欲求の階層で生理的欲求に当たるものを問う。空腹を満たしたいことである。
この問題で問われていること
5段階それぞれの内容を、具体的な表現から判別できるか。
しくみから理解する
生理的欲求は、生命の維持に直接必要な欲求で、呼吸、食事、水分、排泄、睡眠、体温の維持などが含まれる。階層の最も下に位置し、これが満たされないと上位の欲求は生じにくい。空腹を満たしたいという欲求は、まさにこの生理的欲求にあたる。看護では、患者のニーズに優先順位をつける際、生命に直結する生理的欲求が最優先になるという判断の枠組みとして用いられる。
選択肢ごとの確認
選択肢 1所属と愛の欲求(社会的欲求)にあたる。集団に受け入れられ、愛情のある関係を持ちたいという第3段階の欲求である。
選択肢 3自己実現の欲求にあたる。自分の可能性を発揮し、なりたい自分になろうとする最高次の欲求である。
選択肢 4承認(自尊)の欲求にあたる。他者から認められ、尊重されたいという第4段階の欲求である。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
5段階の名称を知っていても、口語的な表現との対応を練習していないと迷う。『生きるために必要か(生理的)』『危険から守られたいか(安全)』『集団に入りたいか(所属と愛)』『認められたいか(承認)』『自分を発揮したいか(自己実現)』という問いの形で判別すると確実になる。
理解を深める
看護でこの階層を使うとき、優先順位の枠組みとしては有用だが、絶対的な順序ではない点に注意する。終末期には、生理的欲求より自己実現や関係性の充足が優先される場面がある。また、生理的欲求が満たされていても、安心できない環境では上位の欲求に向かえないという相互作用もある。ヘンダーソンの14の基本的欲求は、より看護実践に即した形で人間の基本的ニーズを整理したもので、呼吸、飲食、排泄、姿勢、睡眠、衣類、体温、清潔、危険の回避、コミュニケーション、信仰、仕事、遊び、学習の14項目からなる。両者を対応させて理解しておくとよい。
間違えやすい考え方
概念を具体表現に当てはめる型で、5肢のうち4つが階層の異なる段階になっている。段階を判別する問いの形を持っておく。
5分で振り返る
①生理的欲求=呼吸・食事・水分・排泄・睡眠・体温など生命維持に直結。②安全の欲求=危険からの保護。③所属と愛=集団に受け入れられたい。④承認=認められたい。⑤自己実現=可能性の発揮。⑥絶対的な順序ではなく判断の枠組み。
1分チェック
- 「空腹を満たしたい」はどの欲求か。→ 生理的欲求。
この問題だけを開く午前 問7段階1 暗記
胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。
解説
胎児で最も酸素が多いのは、胎盤から戻ってきたばかりの臍静脈。ここが出発点で、以後は各所で静脈血と混ざって薄まっていく。
この問題で問われていること
胎児循環の酸素濃度の順序を追えるか。成人と違い、胎児には完全に動脈血だけが流れる場所がほとんどないことを理解しているか。
しくみから理解する
胎盤でガス交換を終えた血液は臍静脈を通って胎児へ入り、この時点が最も酸素飽和度が高い(およそ80%)。臍静脈の血液は肝臓を迂回する静脈管(アランチウス管)を通って下大静脈に合流し、ここで下半身からの静脈血と混ざって薄まる。右心房に入った血液の多くは卵円孔を通って左心房へ流れ、左心室から上行大動脈へ出て、脳と上肢へ比較的酸素の多い血液を送る。一方、上大静脈から戻った血液は右心室へ向かい、肺動脈へ出るが、肺が機能していないため大部分は動脈管(ボタロー管)を通って下行大動脈へ迂回する。したがって上半身のほうが下半身より酸素が多い。
【接地元】解剖学深掘り編(石川先生・胎児循環の解剖学)、人体の構造と機能 第5版 胎児循環
選択肢ごとの確認
選択肢 1胎盤でガス交換を終えた直後の血液が流れる。胎児循環のなかで最も酸素飽和度が高い。
選択肢 2胎児の全身を巡ったあとの血液で、胎盤へ向かう。酸素は最も少ない。
選択肢 3成人では最も酸素が多いが、胎児では肺が膨らんでおらずガス交換をしていないため、肺静脈を流れる血液の量も酸素量も少ない。成人の常識をそのまま持ち込むと引っかかる。
選択肢 4上大静脈からの静脈血が主体で酸素は少ない。しかもその大半は動脈管へ迂回する。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
「肺静脈=最も酸素が多い」という成人の知識をそのまま当てはめると3を選ぶ。胎児では肺がガス交換の場ではなく、胎盤がその役をしている。だから最も酸素の多い場所は胎盤の直後、つまり臍静脈になる。
理解を深める
胎児循環には3つの短絡(シャント)がある。静脈管(臍静脈→下大静脈・肝臓を迂回)、卵円孔(右心房→左心房・肺を迂回)、動脈管(肺動脈→大動脈・肺を迂回)。いずれも「肺と肝臓を通さずに済ませる」ための仕組みで、出生して肺呼吸が始まると不要になり閉じる。動脈管が閉じずに残ると動脈管開存症になり、大動脈から肺動脈へ血液が流れ込む左右短絡となって心不全や肺高血圧を招く。
間違えやすい考え方
成人の循環の知識をそのまま使うと誤る型。「胎児では肺ではなく胎盤が肺の役をしている」という一文を最初に置いてから選択肢を読む。
5分で振り返る
胎盤→臍静脈(酸素飽和度およそ80%・最高)→静脈管で肝臓を迂回→下大静脈で静脈血と混合→右心房→卵円孔で左心房へ→左心室→上行大動脈→脳と上肢(比較的酸素が多い)。上大静脈からの血液→右心室→肺動脈→動脈管で下行大動脈へ迂回→下半身と臍動脈→胎盤。短絡は静脈管・卵円孔・動脈管の3つ。
1分チェック
- 胎児で最も酸素が多い血液が流れるのはどこか
- 胎児の3つの短絡路を言えるか
- 胎児で上半身と下半身のどちらに酸素の多い血液が行くか
- 胎児の肺静脈の酸素が少ないのはなぜか
この問題だけを開く午前 問8段階1 暗記
永久歯が生え始める目安となる年齢はどれか。
解説
永久歯が生え始める目安となる年齢を問う。6歳である。
この問題で問われていること
歯の発育の時期を数値で覚えているか。
しくみから理解する
乳歯は生後6〜8か月頃に下顎の中切歯から生え始め、2歳6か月〜3歳頃に20本が生えそろう。永久歯は6歳頃から生え始め、最初に生えるのは第一大臼歯(6歳臼歯)であることが多い。これは乳歯の後ろに新たに生えるため、抜け替わりを伴わず、保護者が気づきにくい。永久歯は12歳頃までにおおむね生えそろい(第三大臼歯を除く28本)、第三大臼歯(親知らず)はさらに遅れて生えるか生えないこともある。
選択肢ごとの確認
選択肢 1乳歯20本が生えそろう時期である。永久歯はまだ顎の中で作られている段階にあたる。
選択肢 3すでに前歯を中心に生え替わりが進んでいる時期である。生え始めとしては遅い。
選択肢 4第三大臼歯を除く永久歯28本がおおむね生えそろう時期である。生え始めではなく完成の目安になる。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
『6歳で生え始め、12歳でそろう』という2つの節目をセットで覚える。また6歳臼歯は乳歯と生え替わらずに新しく生える歯であり、齲蝕になりやすいことが重要である。生えたばかりの永久歯はエナメル質が未成熟で酸に弱く、また萌出途中は歯肉に覆われて磨きにくい。学童期の歯科保健で重点が置かれる理由になる。
理解を深める
学校保健では、歯科健康診断が学校保健安全法に基づき毎学年実施される。齲蝕の有病率は改善傾向にあるが、依然として学童の健康課題である。予防には、フッ化物の応用(フッ素塗布、フッ化物洗口、フッ素配合歯磨剤)、シーラント(奥歯の溝を樹脂で埋める)、適切なブラッシング、間食の管理がある。この時期は自分で歯を磨けるようになるが、磨き残しが多いため、保護者による仕上げ磨きを小学校低学年まで続けることが勧められる。混合歯列期は歯並びが不揃いで磨きにくく、丁寧な指導が要る。
間違えやすい考え方
年齢を問う型で、誤肢が前後の節目に置かれている。乳歯と永久歯それぞれの生え始めと完成の4つの数値を持っていれば確実。
5分で振り返る
①乳歯は生後6〜8か月に萌出開始、2歳6か月〜3歳で20本完成。②永久歯は6歳から萌出開始、最初は第一大臼歯(6歳臼歯)。③12歳頃に28本がそろう(第三大臼歯を除く)。④6歳臼歯は生え替わらず気づかれにくく齲蝕になりやすい。⑤予防はフッ化物・シーラント・仕上げ磨き。
1分チェック
- 永久歯が生え始めるのは何歳か。→ 6歳(第一大臼歯から)。
この問題だけを開く午前 問9段階1 暗記
学童の体格を評価するのに用いるのはどれか。
解説
学童の体格を評価するのに用いるものを問う。ローレル指数である。
この問題で問われていること
年齢に応じた体格評価の指標を使い分けられるか。
しくみから理解する
小児の体格評価では、年齢によって用いる指数が異なる。乳幼児にはカウプ指数(体重g÷身長cmの2乗×10)、学童にはローレル指数(体重g÷身長cmの3乗×10の7乗)を用いる。成人ではBMI(体重kg÷身長mの2乗)が使われる。ローレル指数はおおむね115〜145が標準とされ、160以上を太りすぎ、100未満をやせとする目安がある。身長の伸びが著しい時期には値が変動しやすいため、一時点の値だけでなく成長曲線と合わせて評価する。
選択肢ごとの確認
選択肢 1乳幼児期(生後3か月〜5歳頃)の体格評価に用いる指数である。学童には適さない。
選択肢 3第二次性徴の進行度を、乳房の発育、陰毛の発生、外性器の発育などから5段階で評価する分類である。体格ではなく性成熟の指標である。
選択肢 4身体各器官の発育パターンを、一般型、神経型、リンパ型、生殖型の4つに分けて図示したものである。個人の体格を評価する指数ではなく、発育の一般的な傾向を示す概念図である。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
カウプとローレルは名前が似ており、対象年齢を取り違えやすい。『カウプは幼い子(乳幼児)、ローレルは学童』と対で覚える。またタナー分類とスキャモンの発育曲線は、体格指数ではなく別の枠組みであることを押さえる。近年は、これらの指数より、性別・年齢別の標準体重から算出する肥満度(%)や、成長曲線(パーセンタイル値、標準偏差)による評価が重視されている。
理解を深める
スキャモンの発育曲線は頻出である。神経型(脳、脊髄、頭囲)は乳幼児期に急速に発育し6歳頃に成人の約90%に達する。リンパ型(胸腺、扁桃、リンパ節)は学童期に成人値を超えて約190%まで達し、その後低下する。一般型(身長、体重、内臓)はS字状で、乳幼児期と思春期に2度の急伸期を示す。生殖型(睾丸、卵巣、子宮)は思春期に急速に発育する。この4型の違いが、時期ごとの健康課題(乳幼児期の神経発達、学童期のリンパ組織の腫大、思春期の性成熟)を説明する。
間違えやすい考え方
指標の名称を並べる型で、対象年齢と評価対象の両方を知らないと選べない。名前と対象を対で覚える。
5分で振り返る
①乳幼児=カウプ指数、学童=ローレル指数、成人=BMI。②ローレル指数の標準はおおむね115〜145。③タナー分類は第二次性徴の5段階評価。④スキャモンの発育曲線は一般型・神経型・リンパ型・生殖型の4型。⑤近年は肥満度と成長曲線での評価が重視される。
1分チェック
この問題だけを開く午前 問10段階1 暗記
令和4年(2022 年)の国民生活基礎調査で全世帯に占める65 歳以上の者がいる世 帯の割合に最も近いのはどれか。
解説
国民生活基礎調査で、全世帯に占める65歳以上の者がいる世帯の割合に最も近いものを問う。約50%である。
この問題で問われていること
高齢者に関する世帯の統計を、割合として把握しているか。
しくみから理解する
国民生活基礎調査では、65歳以上の者がいる世帯の数と割合が集計される。現在この割合は約5割に達しており、日本の世帯の半数に高齢者がいることを意味する。さらにその内訳をみると、単独世帯と夫婦のみの世帯が多くを占め、両者を合わせると6割前後になる。三世代世帯は大きく減少している。この構成は、高齢者の介護を家族が担うことが難しくなっている実態を示している。
選択肢ごとの確認
選択肢 1著しく低い。高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)が約29%であることを考えても、世帯単位でみればそれより高くなるはずで、1割はあり得ない。
選択肢 2高齢化率に近い値だが、これは人口に占める割合であって世帯の割合ではない。世帯単位では複数人が同居するため、高齢者のいる世帯の割合は高齢化率より高くなる。
選択肢 4高すぎる。7割では、高齢者のいない世帯が3割しかないことになり、若年単身世帯や子育て世帯の実数と合わない。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
『高齢化率(人口の約29%)』と『65歳以上の者がいる世帯の割合(約50%)』を混同しないことが要点である。前者は人を数え、後者は世帯を数えている。分母と単位が違えば別の指標になる。同様に、『高齢者世帯(65歳以上の者のみ、または65歳以上の者と18歳未満の未婚者で構成される世帯)』もまた別の区分で、こちらは全世帯の約3割である。
理解を深める
高齢者のいる世帯の構造は、在宅医療と介護の前提を決める。単独世帯では、急変時に発見が遅れる、服薬管理が難しい、食事が偏る、社会的に孤立するといった課題がある。夫婦のみの世帯では老老介護になりやすい。三世代世帯の減少は、家族による介護力の低下を意味する。これらを踏まえて、訪問看護、配食、見守り、緊急通報システム、地域の互助といった仕組みが組み立てられている。訪問時には、世帯の構成、キーパーソン、近隣との関係、緊急時の連絡体制を把握することが基本になる。
間違えやすい考え方
統計の割合を問う型で、高齢化率という別の数値が誤肢に置かれている。何を数えた割合かを確認する。
5分で振り返る
①65歳以上の者がいる世帯=約50%。②高齢化率(人口に占める65歳以上)=約29%。この2つは別の指標。③高齢者世帯(65歳以上のみ等)=約3割。④内訳は単独世帯と夫婦のみ世帯が6割前後。⑤三世代世帯は大きく減少。⑥調査は国民生活基礎調査。
1分チェック
- 65歳以上の者がいる世帯は全世帯の何%か。→ 約50%。
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