閉塞性黄疸〈obstructive jaundice〉の患者にみられる便の色はどれか。
公式正答:4
解説
閉塞性黄疸の患者にみられる便の色を問う。灰白色である。
この問題で問われていること
胆汁の流れと便の色の関係を機序で説明できるか。
しくみから理解する
便の褐色は、胆汁に含まれるビリルビンが腸内細菌によってウロビリノゲンを経てステルコビリンに変化することで生じる。閉塞性黄疸では、胆管が腫瘍や結石で塞がれ、胆汁が腸管へ流れない。その結果、便に色をつける物質が届かず、灰白色(白色便、粘土色便)となる。同時に、行き場を失ったビリルビンが血中へ逆流して皮膚と眼球結膜が黄染し、尿中へ排泄されて尿は濃い褐色になる。便が白く、尿が濃くなる、という組合せが閉塞性黄疸の特徴である。
選択肢ごとの確認
鮮血便で、肛門に近い下部消化管からの出血を示す。痔核、直腸癌、大腸憩室出血などで生じる。
正常な便は黄褐色から褐色である。乳児では胆汁の色が強く出て黄色調が濃くなるが、閉塞性黄疸を示す色ではない。
タール便(黒色便)で、上部消化管からの出血を示す。血液中のヘモグロビンが胃酸と腸内細菌により変化して黒くなる。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、食道静脈瘤破裂などで生じる。
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混同しやすいポイント
便の色から病態を推定する問題は頻出である。灰白色=胆汁が届かない(閉塞性黄疸、胆道閉鎖症)、黒色=上部消化管出血、鮮血=下部消化管出血、緑色=胆汁の変化や乳児の生理的なもの、と対応づける。乳児の灰白色便は胆道閉鎖症を疑う重要な所見で、母子健康手帳には便色カードが綴じられており、早期発見に用いられている。
理解を深める
黄疸は原因により3つに分けられる。溶血性黄疸は赤血球の破壊が亢進して間接ビリルビンが増え、便は濃くなる。肝細胞性黄疸は肝細胞の障害で処理と排泄が滞る。閉塞性(胆汁うっ滞性)黄疸は胆汁の流出路が塞がれ、直接ビリルビンが増える。閉塞性では、胆汁酸が皮膚に沈着して強い掻痒感を伴い、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収障害からビタミンK欠乏による出血傾向を生じる。看護では、皮膚の掻痒への対応(保湿、爪を短く、冷罨法)、出血傾向の観察、便と尿の色の記録が重要になる。
間違えやすい考え方
色を問う単純な型だが、機序を知らないと暗記に頼ることになる。『胆汁が届かないから色がつかない』という一文で覚える。
5分で振り返る
①便の褐色は胆汁由来のステルコビリンによる。②閉塞性黄疸では胆汁が腸へ流れず灰白色便。③同時に尿は濃褐色になる。④黒色便=上部消化管出血、鮮血便=下部消化管出血。⑤乳児の灰白色便は胆道閉鎖症を疑う(便色カード)。⑥閉塞性では掻痒と脂溶性ビタミン吸収障害。
1分チェック
- 閉塞性黄疸の便の色は何か。→ 灰白色(胆汁が腸へ届かない)。
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