抗癌薬の副作用(有害事象)で骨髄抑制によるものはどれか。
公式正答:3
解説
抗癌薬の副作用のうち骨髄抑制によるものを問う。血球減少である。
この問題で問われていること
副作用を、それが生じる場所(標的となる細胞)で分類できるか。
しくみから理解する
多くの抗癌薬は、細胞分裂が盛んな細胞を攻撃する。骨髄は造血の場であり、血球のもとになる細胞が絶えず分裂しているため、強く影響を受ける。その結果、白血球(とくに好中球)、赤血球、血小板が減少する。これが骨髄抑制である。好中球減少は感染症のリスク、血小板減少は出血傾向、赤血球減少は貧血症状として現れる。骨髄抑制は用量制限毒性となることが多く、治療の継続を左右する。
選択肢ごとの確認
消化管粘膜の障害と、延髄の化学受容器引金帯(CTZ)への刺激によって生じる。骨髄が原因ではない。制吐薬(5-HT3受容体拮抗薬、NK1受容体拮抗薬、デキサメタゾン)で予防する。
毛母細胞という分裂の盛んな細胞が障害されるために起こる。分裂が盛んな細胞が標的という点は骨髄と共通だが、場所は毛包であり骨髄抑制ではない。多くは治療終了後に再生する。
末梢神経の軸索や微小管が障害されて生じる。ビンカアルカロイド系、タキサン系、白金製剤で問題になり、手足のしびれや感覚鈍麻として現れる。蓄積性で回復に時間がかかることがある。
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混同しやすいポイント
抗癌薬の副作用は、発現する時期と場所で整理すると混乱しない。骨髄抑制は投与後7〜14日頃に好中球が最低値(nadir)となり、その後回復する。悪心・嘔吐は投与当日から数日、脱毛は2〜3週後、神経障害は蓄積性で数コース後に現れる。この時間経過を知っていることが、患者への説明と観察の計画につながる。
理解を深める
好中球減少時は感染のリスクが高く、発熱性好中球減少症は緊急対応を要する。好中球数500/μL未満(または1,000/μL未満で48時間以内に500未満に低下すると予測される)で発熱した場合、速やかに抗菌薬を開始する。看護では、体温の測定、口腔・肛門周囲・皮膚・カテーテル刺入部の観察、手指衛生、生野菜や生ものの扱い、面会の調整を行う。血小板減少では、出血の観察(点状出血、鼻出血、歯肉出血、血尿、便潜血)、転倒や打撲の予防、剃刀ではなく電気シェーバーの使用、便秘の予防を指導する。貧血では、動悸、息切れ、ふらつきの観察と、活動と休息の調整を行う。
間違えやすい考え方
副作用の分類を問う型で、4肢すべてが実際の副作用である。どこで起きているかという場所で切る。
5分で振り返る
①骨髄は分裂の盛んな細胞が多く抗癌薬の影響を受けやすい。②好中球減少=感染、血小板減少=出血、赤血球減少=貧血。③好中球の最低値は投与後7〜14日頃。④嘔吐は消化管とCTZ、脱毛は毛母細胞、神経障害は末梢神経。⑤発熱性好中球減少症は緊急に抗菌薬を開始。
1分チェック
- 抗癌薬の骨髄抑制で何が起こるか。→ 血球減少(好中球・赤血球・血小板)。
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