看護師のボディメカニクスで正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
看護師のボディメカニクスで正しいものを問う。立位では支持基底面を広くとることである。
この問題で問われていること
力学の原則を、介助動作の場面に当てはめられるか。
しくみから理解する
支持基底面とは、身体を支える床との接触面で囲まれた範囲をいう。両足を肩幅程度に開き、前後にもずらして立てば、この面が広くなる。重心線が支持基底面の中に収まっている限り姿勢は安定し、患者を動かす際に生じる外力に対しても崩れにくい。面が狭いと、わずかな力で重心線が外へ出て、体勢を崩す。これは介助者の腰部への負担と、患者を落とす事故の両方につながる。
選択肢ごとの確認
逆である。重心が低いほど安定する。膝を曲げて腰を落とし、重心を下げることが基本になる。腰を伸ばしたまま上体だけを曲げると、重心が高く前方へ出て不安定になり、腰部への負担も大きい。
逆である。重心線が支持基底面の外へ出た瞬間に姿勢は崩れる。重心線を面の中央付近に保つことが安定の条件になる。
逆である。摩擦力が小さいと足が滑って踏ん張れない。滑りにくい履物を選び、床の水濡れを避けることが安全につながる。なお、患者を移動させる際に患者と寝具の間の摩擦を減らす(スライディングシート)のは別の話で、こちらは小さくするほうがよい。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
誤肢3つがすべて原則の逆になっている。『重心は低く、支持基底面は広く、重心線は面の中に、足元の摩擦は大きく』という4点を覚えていれば全部落とせる。また肢4は、介助者の足元の摩擦(大きくする)と、患者と寝具の間の摩擦(小さくする)が逆方向である点が紛らわしい。
理解を深める
ボディメカニクスの原則は、①支持基底面を広くとる ②重心を低くする ③重心を対象に近づける ④大きな筋群を使う ⑤身体をねじらない ⑥てこの原理を使う ⑦水平移動を使う ⑧対象を小さくまとめる、などが挙げられる。ただし、これらを守っても人力での抱え上げには限界があり、厚生労働省の腰痛予防対策指針では、原則として人力のみによる抱え上げは行わせず、福祉用具を積極的に使用することが示されている(ノーリフトケア)。ボディメカニクスは、用具を使う場面でも自分の身体を守るために必要な技術として位置づける。
間違えやすい考え方
『正しいのはどれか』型で、誤肢が原則の逆で作られている。1つの原則を確実に持っていれば連鎖的に判定できる。
5分で振り返る
①支持基底面を広く、重心を低く、重心線は面の中に。②足元の摩擦は大きく(滑りにくい履物)。③患者と寝具の間の摩擦は小さく(スライディングシート)。④大きな筋群を使い身体をねじらない。⑤対象に近づき小さくまとめる。⑥人力での抱え上げは避け福祉用具を使う。
1分チェック
- 立位での介助で安定を得るには。→ 支持基底面を広くとる(重心は低く)。
この問題に対応する教材の確認中です。