成人の持続点滴静脈内注射の方法で適切なのはどれか。
公式正答:3
解説
成人の持続点滴静脈内注射の方法で適切なものを問う。刺入部は関節などの活動を妨げる部位を避けることである。
この問題で問われていること
輸液を安全に継続するための刺入部位の条件を理解しているか。
しくみから理解する
関節部に留置すると、屈伸のたびにカテーテルの先端が血管壁に当たり、静脈炎や血管外漏出を起こしやすい。またカテーテルが折れ曲がって滴下が止まる、固定がずれる、患者の動きが制限されるといった問題も生じる。したがって、前腕の橈側皮静脈や尺側皮静脈など、関節を避けた太くまっすぐな血管を選ぶ。利き手を避けること、麻痺側や乳房切除術後の患側、シャント肢を避けることも刺入部位の選定条件になる。
選択肢ごとの確認
少なすぎる。点滴筒(滴下筒)には1/3〜1/2程度の薬液を満たす。少なすぎると滴下が数えにくく、また空気が下流へ流れる危険がある。多すぎると滴下そのものが見えなくなる。
逆である。刺入部は観察できるように、透明なドレッシング材で覆って見える状態にする。発赤、腫脹、疼痛、漏れといった異常を早期に発見するためであり、覆い隠すことは血管外漏出の発見を遅らせる。
低すぎる。落差によって輸液が流れるため、刺入部から概ね80cm〜1m程度の高さに吊るす。30cmでは静脈圧に打ち勝てず滴下しないか、極端に遅くなる。
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混同しやすいポイント
数値を含む3つの誤肢(1/5、30cm)と、原則の逆(見えないように固定)で構成されている。『点滴筒は1/3〜1/2』『高さは80cm〜1m』『刺入部は見えるように』の3点を持っていれば全部落とせる。
理解を深める
輸液管理では、刺入部の観察が最も重要な看護になる。血管外漏出では、腫脹、発赤、疼痛、滴下不良、逆血の消失がみられる。抗癌薬や高浸透圧の薬剤では組織障害を起こすため、早期発見が予後を左右する。静脈炎は、薬剤の刺激やカテーテルの機械的刺激で生じ、発赤、疼痛、索状の硬結として現れる。末梢静脈カテーテルの交換時期は、以前は72〜96時間ごととされたが、現在は臨床的に問題がなければ定期交換せず観察に基づいて判断する考え方も示されている。刺入時と管理時の手指衛生、清潔操作、接続部の消毒が血流感染の予防になる。
間違えやすい考え方
『適切なのはどれか』型で、数値と原則の両方が問われている。具体的な数値を持っていることが前提になる。
5分で振り返る
①関節部は屈伸で静脈炎・漏出・閉塞を起こしやすい。②点滴筒は1/3〜1/2満たす。③刺入部は透明ドレッシングで見えるようにする。④輸液バッグは刺入部から80cm〜1m。⑤利き手・麻痺側・患側・シャント肢を避ける。⑥漏出の徴候は腫脹・発赤・疼痛・滴下不良・逆血消失。
1分チェック
- 点滴の刺入部はどこを選ぶか。→ 関節を避けた前腕の血管。
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