心静止の患者に投与する薬剤はどれか。
公式正答:4
解説
心静止の患者に投与する薬剤を問う。アドレナリンである。
この問題で問われていること
心停止の波形に応じた薬物療法を、ガイドラインに沿って選べるか。
しくみから理解する
心静止は、心臓の電気的活動が完全に失われた状態で、心電図は平坦になる。電気ショックは適応にならず(除細動できる電気活動がない)、胸骨圧迫による循環の維持と、血管収縮薬の投与、そして原因の検索と是正が治療の柱になる。JRC蘇生ガイドライン2020では、血管収縮薬としてアドレナリンを用い、通常1回1mgを静脈内投与し、3〜5分間隔で追加投与するとされている。またショック非適応リズム(心静止と無脈性電気活動)では、アドレナリンをできるだけすみやかに投与することが示されている。
選択肢ごとの確認
カテコラミンの一つで、心原性ショックや低血圧に対して持続静注で用いる。心停止時の第一選択薬ではない。
副交感神経の作用を遮断して心拍数を上げる薬剤で、症候性徐脈に用いる。かつては心静止にも使われたが、有効性の根拠が乏しいことから現在のガイドラインでは心停止時のルーチン投与は推奨されていない。
抗不整脈薬で、電気ショックで停止しない難治性の心室細動・無脈性心室頻拍に対して、アミオダロンとともに考慮される。心静止には適応しない。
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混同しやすいポイント
心停止の4波形と対応を整理する。ショック適応(心室細動・無脈性心室頻拍)=電気ショック+アドレナリン+難治例に抗不整脈薬、ショック非適応(心静止・無脈性電気活動)=電気ショックなし、アドレナリンを速やかに。アトロピンが心停止から外れたことは、ガイドラインの改訂で変わった点であり、古い知識のままだと誤る。
理解を深める
心静止では、原因の検索と是正が予後を左右する。可逆的な原因として、低酸素、循環血液量減少、水素イオン(アシドーシス)、低体温、低・高カリウム血症、緊張性気胸、心タンポナーデ、中毒、肺血栓塞栓症、冠動脈血栓症が挙げられる。これらは英語の頭文字から5H5Tと整理される(低カリウム血症と高カリウム血症を一つに数えて4H4Tとする書き方もある)。看護では、質の高い胸骨圧迫の継続(中断の最小化)、静脈路または骨髄路の確保、薬剤の準備、原因検索に必要な情報の収集(既往、内服、経過、体温、血液ガス)、記録、家族への対応を担う。心電図が平坦であっても、まず電極の接続と感度を確認することも実務上重要である。
間違えやすい考え方
薬剤名を並べる型で、4肢すべてが循環器領域で用いられる。波形と薬剤の対応表を持っていれば一択になる。
5分で振り返る
①心静止はショック非適応、電気ショックは行わない。②アドレナリンを1回1mg、3〜5分間隔で投与。③非適応リズムではできるだけすみやかに投与。④アトロピンは現在のガイドラインで心停止のルーチン投与を推奨しない。⑤リドカイン・アミオダロンは難治性VF/無脈性VT。⑥可逆的原因の検索と是正を並行する。
1分チェック
- 心静止に投与する薬剤は何か。→ アドレナリン(1回1mg、3〜5分間隔)。
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