嚥下反射に伴って起こるのはどれか。
公式正答:1
解説
飲み込むとき喉仏が上下する。これは喉頭が挙上する動きで、甲状腺は喉頭のすぐ下にあるため一緒に動く。
この問題で問われていること
嚥下時に何が動くかを、解剖の位置関係とあわせて言えるか。気道防御の向き(閉じる/開く)を取り違えていないか。
しくみから理解する
嚥下反射が起こると、舌骨上筋群が収縮して喉頭が前上方へ挙上する。これにより喉頭蓋が後方へ倒れて喉頭口をふさぎ、同時に声門も閉じて気道が二重に守られる。喉頭が挙上すると、輪状軟骨と気管を介してつながっている甲状腺も一緒に上下する。甲状腺は気管の前面、甲状軟骨のすぐ下に位置しているためである。この動きは頸部の触診や視診で確認でき、甲状腺の腫瘤が嚥下とともに動くかどうかで甲状腺由来かどうかを判断する所見にもなる。 【接地元】人体の構造と機能 第5版 頸部の解剖・嚥下、三年解剖学総まとめ(頭頸部)、ガイトン生理学 嚥下
選択肢ごとの確認
喉頭の挙上に伴って甲状腺も上下する。喉頭のすぐ下、気管の前面に付着しているため。
肝臓は横隔膜の下にあり、呼吸に伴って上下する。嚥下では動かない。
逆。嚥下時には声門は閉鎖する。気道を守るための反応なので、開いてしまっては誤嚥する。
舌根が沈下するのは意識障害時や仰臥位での気道閉塞の場面。嚥下時には舌が後上方へ押し上げるように動いて食塊を咽頭へ送る。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
「声門の開放」を選んでしまうのは、飲み込むときに空気の通り道が要ると思い込むため。嚥下の瞬間は呼吸が止まる(嚥下性無呼吸)。気道はむしろ厳重に閉じられる。
理解を深める
喉頭挙上は嚥下機能の重要な指標で、頸部触診で確認する。甲状軟骨に指を当てて嚥下してもらい、挙上の量とタイミングを見るのが反復唾液嚥下テスト(RSST)で、30秒間に何回嚥下できるかを数える(3回未満で嚥下障害を疑う)。加齢では喉頭の位置が下がり、挙上の量も速度も落ちるため誤嚥しやすくなる。頸部を前屈させる(顎を引く)姿勢は、咽頭と気道の角度が変わること、気道の入口部が狭くなること、舌根の位置が変わることなど、複数の働きにより誤嚥を減らすとされる。ただし一律に有効なわけではなく、嚥下障害の型によっては、かえって咽頭の残留や誤嚥を増やすことがある。適否は嚥下造影や内視鏡による評価にもとづいて個別に判断する。
間違えやすい考え方
気道防御の向きを逆にした誤肢(声門の開放)と、別の運動(呼吸に伴う肝臓の動き、気道閉塞時の舌根沈下)を混ぜる型。嚥下時は「気道を閉じる」が原則。
5分で振り返る
嚥下反射=舌骨上筋群が収縮して喉頭が前上方へ挙上→喉頭蓋が倒れて喉頭口を閉鎖→声門も閉鎖→気道を二重に守る。同時に呼吸が止まる(嚥下性無呼吸)。甲状腺は喉頭のすぐ下、気管の前面にあるため一緒に上下する。加齢で喉頭の位置が下がり挙上が不十分になると誤嚥しやすい。頸部前屈位は誤嚥を減らすことがあるが一律ではなく、適否は嚥下造影や内視鏡による評価で個別に判断する。
1分チェック
- 嚥下時に喉頭はどう動くか
- そのとき声門はどうなるか
- 甲状腺が嚥下で動くのはなぜか
- 嚥下中の呼吸はどうなるか
この問題に対応する教材の確認中です。