胎生3週の発生過程にある胚子の横断面を図に示す。 A から分化するのはどれか。
公式正答:3
解説
胎生3週は三胚葉ができ、神経管が閉じる時期。図のAは神経管(外胚葉由来)で、ここから中枢神経系ができる。
この問題で問われていること
三胚葉それぞれから何が分化するかを言えるか。図の位置(背側の管)から神経管を同定できるか。
しくみから理解する
受精後3週ごろ、胚子は外胚葉・中胚葉・内胚葉の3層になる。背側の外胚葉が肥厚して神経板をつくり、両縁が盛り上がって神経溝となり、やがて閉じて神経管になる。この神経管が脳と脊髄になる。閉じるときに神経堤細胞が分離し、末梢神経系の神経節やシュワン細胞、副腎髄質、メラノサイトなどになる。神経管の腹側にある脊索は椎間板の髄核として痕跡を残す。内胚葉は消化管とその派生器官(気管・肺・肝臓・膵臓)に、中胚葉は骨・筋・心血管系・腎臓・生殖器になる。 【接地元】人体の構造と機能 第5版 発生、OpenStax anatomy_physiology_2e(embryonic development)
選択肢ごとの確認
内胚葉由来。前腸から呼吸器憩室が出て気管と肺になる。図では腹側の管(原腸)にあたる。
内胚葉由来。前腸から分かれる。気管と食道は同じ前腸から分かれるため、分離が不完全だと気管食道瘻になる。
外胚葉由来の神経管から脳と脊髄ができる。図の背側にある管がこれ。
中胚葉由来。背側大動脈が左右にでき、のちに癒合する。
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混同しやすいポイント
図が読めなくても、背側にある管=神経管という位置関係を知っていれば解ける。胚子の横断面は、背側から神経管・脊索・体節(中胚葉)・原腸(内胚葉)の順に並ぶ。
理解を深める
三胚葉の分化先を一覧にすると多くの問題が解ける。外胚葉=表皮とその付属器・神経系・感覚器・下垂体後葉・副腎髄質(神経堤経由)。中胚葉=骨・軟骨・骨格筋・心筋・平滑筋・血液・血管・腎臓・生殖腺・漿膜。内胚葉=消化管上皮・呼吸器上皮・肝臓・膵臓・甲状腺・胸腺・膀胱上皮。神経管が閉じないと二分脊椎や無脳症になり、その予防に妊娠前からの葉酸摂取が勧められるのは、神経管の閉鎖が受精後3〜4週という妊娠に気づく前の時期に起こるためである。
間違えやすい考え方
図の問題に見えて、実は三胚葉の分化先という知識問題になっている型。図が読めなくても知識で解けるかを確認しておく。
5分で振り返る
胎生3週に三胚葉が完成し、外胚葉の背側が神経板→神経溝→神経管となって脳・脊髄になる。神経堤細胞は末梢神経節・シュワン細胞・副腎髄質・メラノサイトへ。外胚葉=表皮と神経系と感覚器、中胚葉=骨・筋・心血管・腎・生殖腺、内胚葉=消化管と呼吸器の上皮・肝・膵。神経管閉鎖障害の予防に葉酸を妊娠前から摂る。
1分チェック
- 神経管はどの胚葉からできるか
- 神経管から何ができるか
- 気管と食道はどの胚葉からできるか
- 神経管の閉鎖障害で何が起こるか
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