重症筋無力症 myasthenia gravis に合併する頻度が最も高いのはどれか。
公式正答:1
解説
重症筋無力症に合併する頻度が最も高いものを問う。胸腺腫である。
この問題で問われていること
自己免疫疾患と、その背景にある臓器の異常を結びつけられるか。
しくみから理解する
重症筋無力症は、神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生され、神経から筋への信号伝達が妨げられる自己免疫疾患である。胸腺は免疫細胞の教育を担う臓器であり、この自己抗体の産生に関与すると考えられている。実際、患者の一定割合に胸腺腫が合併し、胸腺腫がない例でも胸腺過形成がしばしばみられる。このため診断時には胸部CTやMRIによる胸腺の検索が重要で、胸腺腫があれば胸腺摘出術が治療の選択肢になる。
選択肢ごとの確認
アスベスト曝露を主因とする胸膜の悪性腫瘍である。潜伏期が数十年と長く、職業歴の聴取が重要になる。重症筋無力症との関連はない。
重症筋無力症では甲状腺疾患(バセドウ病、橋本病)の合併がみられることがあり、自己免疫疾患どうしの併存として理解されるが、腫瘍としての合併頻度が最も高いわけではない。
リンパ系の悪性腫瘍で、重症筋無力症との特異的な関連は確立していない。
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混同しやすいポイント
重症筋無力症の症状は、日内変動を伴う易疲労性と筋力低下である。朝は軽く夕方に増悪し、休息で改善する。初発症状は眼瞼下垂と複視(眼筋型)が多く、進行すると四肢の筋力低下、構音障害、嚥下障害に至る。呼吸筋が侵されて呼吸不全に陥る状態をクリーゼといい、緊急の対応を要する。感染、手術、特定の薬剤(アミノグリコシド系抗菌薬、筋弛緩薬など)が誘因になる。
理解を深める
診断には、抗アセチルコリン受容体抗体の測定、テンシロン試験(抗コリンエステラーゼ薬の投与で一時的に症状が改善する)、反復刺激試験(筋電図で漸減現象を証明)、胸部画像による胸腺の検索を組み合わせる。治療は、抗コリンエステラーゼ薬による対症療法、副腎皮質ステロイドと免疫抑制薬、胸腺摘出術、急性増悪時の血漿交換や免疫グロブリン大量療法がある。看護では、症状に日内変動があることを踏まえて活動と休息を配分すること、嚥下障害があれば食事の形態と時間帯を調整すること(症状の軽い午前中に主要な食事を摂る)、クリーゼの徴候(呼吸困難、痰の喀出困難、嚥下困難の増悪)を観察することが要点になる。
間違えやすい考え方
合併症を問う型で、誤肢が胸部の別の腫瘍と、他の自己免疫関連疾患で構成されている。胸腺という臓器の役割から導ける。
5分で振り返る
①アセチルコリン受容体への自己抗体で神経筋伝達が障害される。②胸腺腫の合併と胸腺過形成がみられ、診断時に胸腺を検索する。③症状は日内変動のある易疲労性、初発は眼瞼下垂と複視。④呼吸筋が侵されるクリーゼは緊急。⑤誘因は感染・手術・特定の薬剤。⑥活動は症状の軽い時間帯に配分する。
1分チェック
- 重症筋無力症に合併しやすいのは何か。→ 胸腺腫。
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