令和2年(2020 年)の患者調査における入院医療で正しいのはどれか。
公式正答:4
解説
患者調査における入院医療で正しいものを問う。平均在院日数が最も長いのは精神及び行動の障害であることである。
この問題で問われていること
入院に関する統計の特徴を、疾患群ごとに把握しているか。
しくみから理解する
平均在院日数は傷病により大きく異なり、精神及び行動の障害が突出して長い。統合失調症などで長期の入院となる例があり、社会的入院の解消が長年の政策課題になってきたことが背景にある。次いで神経系の疾患、循環器系の疾患が長く、消化器系や損傷・中毒は比較的短い。全病床の平均在院日数は短縮傾向にあり、在院日数の短縮は医療費適正化と在宅医療への移行という政策の方向に沿っている。
選択肢ごとの確認
差がある。病床数、医療資源の分布、人口の年齢構成、地域の医療慣行によって受療率は地域差を示す。病床数が多い地域ほど入院受療率が高いという関係(医師誘発需要の議論)も知られており、地域医療構想による病床の適正化が進められている。
入院の推計患者数では精神及び行動の障害が最も多い。循環器系疾患も上位だが最多ではない。入院受療率でも精神及び行動の障害が上位に来る。
受療率は年齢が上がるほど高くなり、90歳以上が最も高い。80歳代が頂点ではない。加齢とともに単調に増加する形になる。
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混同しやすいポイント
『入院=身体疾患』という先入観が誤肢を選ばせる。入院では精神及び行動の障害が、患者数でも在院日数でも上位に来る。一方、外来では高血圧性疾患が最多である。入院と外来で上位が入れ替わる点を押さえる。
理解を深める
精神科医療では、精神病床の平均在院日数が国際的にみて長いことが課題とされ、地域移行の推進が図られてきた。障害者総合支援法の地域移行支援・地域定着支援、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築がその流れにある。長期入院の背景には、症状そのものより、住まいの確保や地域の受け皿の不足といった社会的要因があることが多い。看護では、入院早期からの退院支援、生活技能の訓練、家族への働きかけ、地域の関係機関との連携が求められる。患者調査は3年ごとに実施され、受療率、推計患者数、平均在院日数、退院後の行き先などが得られる。
間違えやすい考え方
『正しいのはどれか』型で、誤肢が地域差の否定、順位の取り違え、年齢階級の取り違えで構成されている。入院統計の上位を精神疾患と押さえる。
5分で振り返る
①入院の平均在院日数は精神及び行動の障害が最長。②入院の推計患者数も精神及び行動の障害が最多。③受療率には都道府県差がある(病床数と関連)。④年齢階級別の受療率は90歳以上が最高。⑤外来受療率の1位は高血圧性疾患。⑥調査は患者調査(3年ごと)。
1分チェック
- 入院で平均在院日数が最も長いのは。→ 精神及び行動の障害。
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