入院中のA さんは昨晩、体温が38.8 ℃であったため解熱剤の坐薬を使用した。 今朝の検温では37.0 ℃であった。A さんが「ずっとお風呂に入っていないから背 中がかゆい」と話したため、看護師が確認すると背部に発汗がみられた。 客観的情報の記録で適切なのはどれか。
公式正答:2
解説
解熱後に背部のかゆみを訴えた患者について、客観的情報の記録として適切なものを問う。背部に発汗があることである。
この問題で問われていること
主観的情報(S)と客観的情報(O)を区別できるか。
しくみから理解する
客観的情報(Objective data)は、観察、測定、検査によって得られる、誰が見ても同じように確認できる事実である。看護師が背部を確認して発汗を認めたことは、視診による所見であり客観的情報にあたる。一方、主観的情報(Subjective data)は、患者本人が語った内容であり、かゆみや痛みのように本人にしか分からない感覚が含まれる。記録では両者を区別し、事実と解釈を混ぜないことが基本になる。
選択肢ごとの確認
患者本人の訴えであり主観的情報(S)である。重要な情報だが、客観的情報ではない。記録では患者の言葉をそのまま『「背中がかゆい」』のように引用符つきで残す。
解熱という事実からの解釈・判断であり、アセスメント(A)にあたる。客観的情報として書くなら『昨夜38.8℃、本朝37.0℃』という測定値である。解釈を情報として記録すると、後から別の解釈を検討できなくなる。
これから行うケアの内容であり、計画(P)にあたる。情報ではない。
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混同しやすいポイント
SOAP形式の4要素を区別できるかが問われている。S=患者の言葉、O=観察・測定した事実、A=それらから導いた判断、P=計画。誤肢がそれぞれS・A・Pに対応しており、Oを選ぶ構造になっている。とくに肢3のように、解釈を事実のように書いてしまう誤りは実務でも起こりやすい。
理解を深める
記録は、法的な記録であると同時に、チームで情報を共有し、ケアの根拠を示すものである。書き方の原則としては、事実と解釈を区別する、患者の言葉は引用符つきでそのまま残す、推測や評価的な表現(『非協力的』『わがまま』など)を避ける、実施した時刻と内容を具体的に書く、修正は追記の形で行い元の記載が読める状態を保つ、といったものがある。診療録の保存期間は医師法で5年、看護記録は医療法施行規則で2年(病院日誌等の診療に関する諸記録として)とされる。電子カルテでは、記載者と時刻が自動で残るため、代行入力の扱いに注意が要る。
間違えやすい考え方
分類を問う型で、誤肢がS・A・Pにそれぞれ対応している。4要素の定義を持っていれば確実。
5分で振り返る
①S=患者の言葉(かゆい、痛い)。②O=観察・測定した事実(発汗、体温37.0℃)。③A=それらからの判断・解釈。④P=計画。⑤解釈を事実として書かない。⑥患者の言葉は引用符でそのまま残す。⑦評価的な表現を避ける。
1分チェック
- 客観的情報とは何か。→ 観察・測定によって得られる事実(背部の発汗)。
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