人体には使用しない消毒薬はどれか。
公式正答:1
解説
人体には使用しない消毒薬を問う。グルタラールである。
この問題で問われていること
消毒薬を、適用対象(人体か器材か環境か)で分類できるか。
しくみから理解する
グルタラール(グルタルアルデヒド)は高水準消毒薬で、多数の細菌芽胞を除くすべての微生物を死滅させる。芽胞にも作用するが、確実に死滅させるには高い濃度で長時間(滅菌に相当する曝露)作用させる必要があり、内視鏡などに用いる通常の消毒時間では期待できない。内視鏡など、熱に弱く滅菌できない器材の消毒に用いられる。一方、蛋白質を強く変性させるため人体には使用できず、蒸気を吸入すると気道と眼の粘膜を刺激し、皮膚炎や喘息様症状を起こす。取り扱いでは、換気のよい場所または密閉容器を用い、手袋・ゴーグル・マスクを着用し、曝露を最小限にする。
選択肢ごとの確認
中水準消毒薬で、手術部位の皮膚消毒、創傷、粘膜(含嗽)に用いられる。人体に使用できる。ヨードアレルギーと甲状腺機能への影響に注意する。
低水準消毒薬(第四級アンモニウム塩)で、皮膚・粘膜の消毒、器材や環境の清拭に用いる。刺激が少なく人体に使用できるが、芽胞や結核菌には無効である。
低水準消毒薬で、手指消毒や皮膚の消毒に広く用いられる。ただし粘膜への使用ではショック(アナフィラキシー)の報告があり、日本では粘膜への使用が禁忌とされている点に注意が要る。
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混同しやすいポイント
消毒薬は水準(高・中・低)と適用対象で整理する。高水準(グルタラール、過酢酸、フタラール)=器材のみ、中水準(次亜塩素酸ナトリウム、ポビドンヨード、アルコール)=対象により使い分け、低水準(塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン)=人体と環境。とくにグルタラールは器材専用、次亜塩素酸ナトリウムは環境と器材(人体には原則使わない)と覚える。
理解を深める
消毒と滅菌の違いも押さえる。滅菌はすべての微生物を除去または死滅させることで、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)、酸化エチレンガス滅菌、過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌がある。消毒は病原微生物を害のない程度まで減らすことで、芽胞は残りうる。器材の処理はスポルディングの分類に従い、無菌の組織や血管に入るクリティカル器材は滅菌、粘膜や損傷皮膚に接触するセミクリティカル器材は高水準消毒以上、健常な皮膚に接触するノンクリティカル器材は洗浄または低水準消毒とする。
間違えやすい考え方
『使用しないのはどれか』という否定形で、誤肢3つが人体に使える消毒薬である。水準と適用対象の対応表を持っていれば一択になる。
5分で振り返る
①グルタラール=高水準(多数の芽胞を除くすべての微生物を死滅させる。芽胞の確実な死滅には滅菌に相当する曝露が要る)、器材専用、人体不可。蒸気の曝露に注意。②ポビドンヨード=中水準、皮膚・粘膜可。③塩化ベンザルコニウム=低水準、人体可、芽胞と結核菌に無効。④クロルヘキシジン=低水準、粘膜使用は禁忌。⑤スポルディング分類でクリティカルは滅菌、セミクリティカルは高水準消毒。
1分チェック
- 人体に使えない消毒薬はどれか。→ グルタラール(器材専用の高水準消毒薬)。
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