リラクセーションを目的とした腹式呼吸の方法で適切なのはどれか。
公式正答:2
解説
リラクセーションを目的とした腹式呼吸の方法で適切なものを問う。呼吸に意識を集中することである。
この問題で問われていること
リラクセーションの手法が何によって効果を生むかを理解しているか。
しくみから理解する
腹式呼吸によるリラクセーションでは、ゆっくりと深い呼吸を行うことで、副交感神経の活動が高まり、心拍数と血圧が下がり、筋の緊張がゆるむ。同時に、呼吸という単一の対象へ注意を向けることで、不安や思考の反芻から意識がそれる。この注意の集中が心理的な緊張の緩和に働く。したがって、ただ呼吸の型をなぞるのではなく、呼吸に意識を向けることが方法の核心になる。
選択肢ごとの確認
逆である。浅く速い呼吸は交感神経を優位にし、過換気を招いて手足のしびれやめまいを起こすこともある。深くゆっくりした呼吸を行う。
速すぎる。成人の安静時呼吸数が12〜20回/分であり、リラクセーションではこれよりさらにゆっくり、1分間に6〜10回程度を目安にする。
逆である。呼気を吸気より長くとる(おおむね1:2)。呼気を長くすることで副交感神経が優位になりやすい。口すぼめ呼吸でも同じく呼気を長くとる。
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混同しやすいポイント
『呼気を長く』という原則は、リラクセーションの腹式呼吸でも、COPDの口すぼめ呼吸でも共通する。比率を逆に覚えていると両方外す。また『深くゆっくり』が基本で、浅く速いのは緊張時の呼吸パターンである。
理解を深める
リラクセーション技法には、腹式呼吸のほか、漸進的筋弛緩法、自律訓練法、イメージ療法、マインドフルネス瞑想がある。いずれも自律神経のバランスを整えることを通じて緊張を和らげる。指導では、静かな環境、楽な姿勢(仰臥位で膝を軽く曲げる、または座位)、締めつけない衣類を整え、腹部に手を当てて動きを感じられるようにする。効果には個人差があり、集中できないことに焦りを感じる人もいるため、うまくできなくてよいと伝える。過換気の既往がある人では注意が要る。がん患者の不安、周術期の緊張、慢性疼痛、不眠、分娩時の産痛緩和など幅広く用いられ、患者自身が習得すれば必要なときに自分で使える点が利点である。
間違えやすい考え方
『適切なのはどれか』型で、誤肢が方向の逆と数値のずれで作られている。『深く・ゆっくり・呼気を長く』の3語で全部落とせる。
5分で振り返る
①深くゆっくりした呼吸で副交感神経が優位になる。②呼吸への注意の集中が心理的緊張を和らげる。③1分間に6〜10回程度が目安。④吸気:呼気は1:2、呼気を長くとる。⑤浅く速い呼吸は交感神経優位で過換気を招く。⑥うまくできなくてよいと伝える。
1分チェック
- リラクセーションの腹式呼吸で大切なことは。→ 呼吸に意識を集中する(深くゆっくり、呼気を長く)。
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