一次救命処置〈BLS〉で回復体位はどれか。
公式正答:2
解説
一次救命処置における回復体位を図から選ぶ問題である。公式正答は②にあたる体位である。
この問題で問われていること
回復体位の目的と、その形を説明できるか。
しくみから理解する
回復体位は、反応はないが正常な呼吸がある傷病者に対して、気道の開通を保ち、嘔吐した場合に吐物が口から流れ出るようにするための体位である。側臥位を基本とし、下になる側の腕は前方に伸ばし、上になる側の手の甲を傷病者の顔の下(頬の下)に当てて頭部を支え、上になる側の膝を約90度曲げて前方の床につけ、体が前後に転がらないよう安定させる。顔はやや下向きにして、口から分泌物や吐物が出やすいようにする。この形により、舌根の沈下による気道閉塞と、吐物の誤嚥という2つの危険を同時に防げる。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
回復体位を用いる条件を取り違えないことが重要になる。反応がなく、かつ正常な呼吸がある場合に用いる。正常な呼吸がなければ、回復体位ではなく直ちに胸骨圧迫を開始する。また、外傷(とくに頸椎損傷が疑われる場合)では、体位変換そのものが危険になるため、必要最小限の動きで気道を確保する。回復体位にした後も、呼吸の観察を続け、変化があれば直ちに仰臥位に戻して心肺蘇生を始める準備をする。長時間同じ側にすると下側の腕の循環が妨げられるため、30分を目安に反対側へ変えることが勧められる。
理解を深める
一次救命処置の流れの中で回復体位が登場するのは、呼吸の確認の後になる。反応の確認、応援の要請と119番通報、自動体外式除細動器の手配、呼吸の確認(10秒以内)を行い、正常な呼吸がなければ胸骨圧迫を開始する。正常な呼吸があり、反応がない場合に回復体位をとり、救急隊の到着を待つ。この間も呼吸の観察を続ける。死戦期呼吸(しゃくり上げるような不規則な呼吸)は正常な呼吸ではないため、これを見て回復体位にしてしまうことは重大な判断の誤りになる。判断に迷う場合は、心停止として胸骨圧迫を開始することが推奨されている。回復体位が用いられる具体的な場面としては、意識を失っているが呼吸のある傷病者、痙攣が止まった後、急性アルコール中毒、薬物の過量服用がある。いずれも嘔吐による誤嚥の危険が高い状況である。学校や職場での救命講習では、この体位の実技が含まれることが多い。
間違えやすい考え方
図から体位を選ぶ型で、目的(気道の開通と吐物の排出)から形が導ける。図中の体位の同定には別冊が要る。
5分で振り返る
①回復体位は、反応がなく正常な呼吸がある傷病者に用いる。②目的は気道の開通の維持と、吐物の誤嚥の防止。③側臥位、下の腕は前方へ、上の手の甲を頬の下に、上の膝を約90度曲げて床につける。④顔はやや下向きにして分泌物が出やすくする。⑤正常な呼吸がなければ回復体位ではなく胸骨圧迫。⑥死戦期呼吸を正常な呼吸と誤らない。⑦30分を目安に反対側へ変える。
1分チェック
- 回復体位はいつ、どのような形でとるか。→ 反応がなく正常な呼吸がある場合。側臥位で顔をやや下向き、上の膝を曲げて安定させる。
この問題に対応する教材の確認中です。