上部消化管内視鏡検査で適切なのはどれか。
公式正答:2
解説
上部消化管内視鏡検査で適切なものを問う。検査の12時間前から禁食とすることである。
この問題で問われていること
検査の目的から、必要な前処置と体位を導けるか。
しくみから理解する
上部消化管内視鏡検査では、胃粘膜を直接観察するため、胃内に食物が残っていると視野が妨げられ、病変を見落とす。また嘔吐と誤嚥の危険も高まる。このため検査前の絶食が必要で、前日の夕食後から、おおむね検査の10〜12時間前から食事を控える。水分は、検査数時間前まで少量の水であれば可とされることが多いが、施設の指示に従う。
選択肢ごとの確認
緩下薬による腸管洗浄は下部消化管内視鏡(大腸内視鏡)の前処置である。上部消化管では大腸を空にする必要がなく、不要な負担になる。
左側臥位で行う。左を下にすると、胃の解剖学的な形状から胃液が胃底部側に溜まり、また咽頭に貯留した唾液や分泌物が口角から自然に流れ出て誤嚥を防げる。右側臥位では内容物が幽門側へ流れて十二指腸へ入りやすく、また誤嚥のリスクも高まる。
咽頭麻酔の効果が残っている間は嚥下反射が鈍く、誤嚥する危険がある。麻酔が切れるまで(おおむね1時間程度)は飲食を控え、まず少量の水で嚥下を確認してから開始する。生検を行った場合は、出血のリスクからさらに時間をあける。
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混同しやすいポイント
上部と下部で前処置がまったく異なる点が要点である。上部=絶食、下部=腸管洗浄(下剤と洗浄液)。また体位は左側臥位で、これは誤嚥の防止と観察のしやすさの両方に関わる。検査後の飲食開始は、咽頭麻酔の回復を確認してから、という3点を押さえる。
理解を深める
検査後の観察としては、咽頭の違和感と嗄声(麻酔と挿入によるもの、通常は改善する)、腹痛、吐血や下血(生検後の出血)、発熱(穿孔や誤嚥性肺炎)がある。穿孔は頻度は低いが重篤で、強い腹痛と腹膜刺激徴候が現れる。鎮静薬を使用した場合は、覚醒するまでの呼吸と循環の観察、転倒の防止、当日の自動車運転の禁止を伝える。ヘリコバクター・ピロリの検査を併せて行うこともあり、除菌療法の適応となれば、服薬の完遂と副作用(下痢、味覚異常、発疹)の説明が必要になる。
間違えやすい考え方
『適切なのはどれか』型で、誤肢が下部内視鏡の前処置、体位の左右の取り違え、検査後の管理の誤りで構成されている。目的から必然的に決まる。
5分で振り返る
①上部内視鏡=絶食(10〜12時間前から)、下部内視鏡=腸管洗浄。②体位は左側臥位(誤嚥の防止と観察のため)。③検査後は咽頭麻酔が切れるまで飲食を控え、水で嚥下を確認してから。④生検後はさらに時間をあける。⑤観察は腹痛・吐血下血・発熱・嗄声。⑥鎮静時は覚醒確認と運転禁止。
1分チェック
- 上部消化管内視鏡の前処置は何か。→ 検査の10〜12時間前からの絶食。
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