成年後見制度で正しいのはどれか。
公式正答:1
解説
成年後見制度で正しいものを問う。地域生活支援事業の1つとして位置付けられることである。
この問題で問われていること
制度の枠組みと、法定後見・任意後見の区別を理解しているか。
しくみから理解する
障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業には、市町村が実施する必須事業として、成年後見制度利用支援事業と成年後見制度法人後見支援事業が含まれる。前者は、制度の利用が有用であるにもかかわらず費用を負担できない人に対し、申立てにかかる費用や後見人等への報酬を助成するもので、制度の利用を支える仕組みである。介護保険法に基づく地域支援事業でも、任意事業として同様の利用支援が位置づけられている。
選択肢ごとの確認
逆である。成年後見制度は判断能力の程度により3類型に分かれ、後見は『判断能力を欠く常況にある者』が対象で最も重い。補助が最も軽く『判断能力が不十分な者』、保佐がその中間で『判断能力が著しく不十分な者』である。大体のことを自分で判断できるのは補助の対象像に近い。
申立先は家庭裁判所である。社会福祉協議会は、日常生活自立支援事業(福祉サービスの利用援助、日常的な金銭管理)を担うが、成年後見の審判機関ではない。この2つの制度は、対象と法的効力が異なる。
これは任意後見制度の説明である。本人に判断能力があるうちに、公正証書で任意後見契約を結んでおき、能力が低下した時点で家庭裁判所が任意後見監督人を選任して効力が生じる。法定後見は、すでに判断能力が低下した後に家庭裁判所が後見人等を選任する制度である。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
法定後見と任意後見の違いが最も問われやすい。法定=能力低下後に家庭裁判所が選任、任意=能力があるうちに本人が契約。また日常生活自立支援事業(社会福祉協議会)との違いも重要で、こちらは契約に基づく福祉サービスであり、法律行為の代理権を持たない。判断能力の程度が比較的軽い人が対象になる。
理解を深める
後見人等は、財産管理と身上保護を担う。身上保護には、医療や介護の契約、施設の入退所、住居の確保に関する手続きが含まれる。ただし医療行為への同意権はないとされており、身寄りのない人の医療同意は実務上の課題として残る。看護師が関わる場面としては、判断能力の低下が疑われる患者について、地域包括支援センターや医療ソーシャルワーカーにつなぐこと、後見人等が選任されている場合に必要な情報を共有することがある。市町村長申立ての制度もあり、身寄りがない場合に市町村長が申立てを行える。
間違えやすい考え方
『正しいのはどれか』型で、誤肢が対象像の逆、申立先の取り違え、法定と任意の取り違えで構成されている。3類型と2制度を整理して持つ。
5分で振り返る
①成年後見制度利用支援事業は地域生活支援事業の必須事業。②法定後見は3類型(補助<保佐<後見)、後見が最も重い。③申立先は家庭裁判所。④任意後見は能力があるうちに公正証書で契約。⑤日常生活自立支援事業は社会福祉協議会、代理権はない。⑥後見人に医療行為への同意権はない。
1分チェック
- 成年後見制度の利用を支える事業はどこに位置づくか。→ 地域生活支援事業(市町村の必須事業)。
この問題に対応する教材の確認中です。