令和3年度(2021 年度)の高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に 関する法律に基づく対応状況等に関する調査で、養介護施設従事者等による高齢者 虐待について正しいのはどれか。
公式正答:4
解説
高齢者虐待防止法に基づく設問では、養護者による虐待を発見した場合の通報基準を区別する。生命または身体に重大な危険が生じている場合は速やかな市町村通報義務があり、それ以外の虐待を受けたと思われる場合は通報に努める義務がある。
この問題で問われていること
虐待の統計を、加害者の区分と虐待の種類で把握しているか。
しくみから理解する
通報の法的基準はすべて同じではない。養護者による虐待で生命・身体に重大な危険が生じているときは義務、それ以外は努力義務である。養介護施設従事者等による虐待には別条項があるため、主体と場面を確認する。安全確保が必要なら基準の確認を待たず緊急対応する。
選択肢ごとの確認
最も多いのは身体的虐待である。養護者による虐待でも施設従事者等による虐待でも身体的虐待が最多で、次いで心理的虐待、介護等放棄(ネグレクト)、経済的虐待、性的虐待と続く(順位は年により多少入れ替わる)。なお経済的虐待は養護者による虐待に特徴的で、施設従事者等では少ない。
高すぎる。被虐待高齢者は女性が多く7割前後だが、9割ではない。女性が多い背景には、平均寿命の差により要介護状態の高齢女性が多いことがある。
施設従事者等による虐待の発生要因では、教育・知識・介護技術等に関する問題が最も多い。ストレスや感情のコントロールの問題も上位だが最多ではない。この結果は、研修と体制の整備が対策の中心になる根拠になっている。
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混同しやすいポイント
統計の細部を問う型だが、大枠として『件数は養護者によるものが圧倒的に多い』『種類は身体的虐待が最多』の2点を押さえれば、多くの設問に対応できる。数値の細かい割合は年により変動するため、順位で覚えるほうが実用的である。
理解を深める
看護師は不自然な外傷、栄養不良、受診中断、養護者との関係などを記録し、生命・身体の危険を評価する。養護者による虐待では、重大な危険がある場合の市町村への速やかな通報義務と、その他の場合の通報努力義務を区別する。守秘義務だけを理由に通報を妨げず、組織手順と地域窓口を用いる。
間違えやすい考え方
統計の細部を問う型で、誤肢が種類の順位、割合の水準、要因の順位で構成されている。大枠の順位を持つ。
5分で振り返る
①件数は養護者によるものが施設従事者等の十数倍。②種類は身体的虐待が最多、次いで心理的虐待。③被虐待高齢者は女性が7割前後。④施設従事者等の発生要因は教育・知識・技術の問題が最多。⑤5類型=身体的・介護等放棄・心理的・性的・経済的。⑥通報先は市町村、守秘義務違反にならない。
1分チェック
- 高齢者虐待は誰によるものが多いか。→ 養護者(家族など)によるもの。
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