一次性の夜尿症〈nocturnal enuresis〉で通院中の7歳の女児。 保護者への生活のアドバイスで適切なのはどれか。
公式正答:3
解説
一次性の夜尿症で通院中の7歳女児について、保護者へのアドバイスを問う。おねしょをしても叱らないようにすることである。
この問題で問われていること
夜尿症の原因を理解し、心理的な影響に配慮した指導ができるか。
しくみから理解する
一次性夜尿症は、生まれてから一度も夜間の排尿が自立していない状態を指す。原因は、夜間の尿量が多い(抗利尿ホルモンの夜間分泌が不十分)、膀胱容量が小さい、深い睡眠により尿意で覚醒しにくい、といった生理的な要因であり、本人の努力や怠慢によるものではない。叱責は、自尊心を傷つけ、不安を強め、かえって症状を悪化させる。治療の三原則は『起こさない、焦らない、叱らない』とされ、生活指導の基本になる。
選択肢ごとの確認
1日の総量を減らすのではなく、時間帯の配分を変える。日中は十分に水分を摂り、夕方以降と就寝前を控えめにする。総量の制限は脱水を招き、成長期の子どもには不適切である。
逆である。就寝前の水分は夜間の尿量を増やす。夕食は就寝の2〜3時間前までに済ませ、塩分を控えることも夜間尿量の減少につながる。
『起こさない』が原則である。夜中に起こすと睡眠が妨げられ、抗利尿ホルモンの分泌リズムが乱れて、かえって夜間尿量が増える可能性がある。また自然な自立を遅らせるとされる。
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混同しやすいポイント
三原則のうち『起こさない』が最も誤解されやすい。良かれと思って夜中に起こす家庭は多いが、これは推奨されない。理由を説明できるようにしておく。また水分は『減らす』のではなく『時間帯を変える』という点も、指導の際に正確に伝える必要がある。
理解を深める
夜尿症は、5〜6歳で約15〜20%、小学校高学年で数%にみられ、多くは成長とともに自然に軽快する。ただし本人の自尊心と生活(宿泊行事など)への影響が大きいため、7歳頃から治療の対象と考えられる。生活指導で改善しない場合は、デスモプレシン(抗利尿ホルモン製剤)やアラーム療法が用いられる。二次性夜尿症(一度自立した後に再発したもの)では、心理的ストレス、糖尿病、尿路感染症、便秘、睡眠時無呼吸などの原因検索が必要になる。看護では、本人が恥ずかしさを感じていることに配慮し、本人の前で話す内容にも注意を払う。成功した日をカレンダーに記録するなど、肯定的な関わりを勧める。
間違えやすい考え方
『適切なのはどれか』型で、誤肢が水分制限の誤り、方向の逆、原則に反する対応で構成されている。三原則を持っていれば全部落とせる。
5分で振り返る
①一次性夜尿症は生理的要因(夜間尿量・膀胱容量・覚醒閾値)による。②三原則=起こさない・焦らない・叱らない。③水分は総量を減らさず時間帯を変える(日中は十分、夕方以降控えめ)。④夜中に起こすとリズムを乱し逆効果。⑤改善しなければデスモプレシンやアラーム療法。⑥二次性は原因検索が必要。
1分チェック
- 夜尿症の生活指導の三原則は何か。→ 起こさない、焦らない、叱らない。
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