生後6〜8か月ころの乳児で、親などの特定の人が自分の傍から離れたときに泣 いたり後追いをしたりするのはどれか。
公式正答:1
解説
生後6〜8か月頃の乳児が、特定の人が離れたときに泣いたり後追いをしたりする現象を問う。分離不安である。
この問題で問われていること
乳児期の社会性の発達を、愛着形成の観点から理解しているか。
しくみから理解する
生後6〜8か月頃になると、乳児は特定の養育者を他の人と区別して認識できるようになる。この時期に、養育者が視界から消えると泣く(分離不安)、見知らぬ人に対して警戒する(人見知り)という反応が現れる。これは認知の発達と愛着形成が進んだ証であり、正常な発達の指標である。ボウルビィの愛着理論では、この時期に特定の対象への愛着が確立するとされ、安全基地としての養育者の存在が、その後の探索行動と対人関係の基盤になる。
選択肢ごとの確認
ピアジェの前操作期(2〜7歳頃)の思考の特徴で、無生物にも生命や意思があると考えることを指す。人形に話しかける、机にぶつかって『机が悪い』と言うといった現象である。乳児期の反応ではない。
1歳半から3歳頃にみられる、自分の意思を主張する時期を指す。いわゆる第一次反抗期、イヤイヤ期である。時期が異なる。
両価性。同一の対象に対して愛と憎しみのような相反する感情を同時に抱くことを指す。愛着理論では、養育者に対して接近と抵抗を同時に示す愛着の型(アンビバレント型/抵抗型)を指す用語としても用いられるが、6〜8か月の正常な分離不安を表す語ではない。
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混同しやすいポイント
発達の現象は、現れる時期とセットで覚える。分離不安と人見知り=6〜8か月、自我の芽生え(第一次反抗期)=1歳半〜3歳、アニミズム=2〜7歳の前操作期。時期を対応させれば、乳児期の現象はひとつに絞れる。
理解を深める
分離不安は正常な発達だが、入院という場面では大きな意味を持つ。ロバートソンとボウルビィは、乳幼児が養育者から分離されたときの反応を、抗議(激しく泣き養育者を求める)、絶望(泣かなくなり無気力になる)、脱愛着(養育者が戻っても関心を示さない)の3段階で記述した。この知見が、小児医療における家族の付き添いと面会の自由化を進める根拠になった。看護では、可能な限り養育者の付き添いを支援し、難しい場合は、慣れ親しんだ物を置く、同じ看護師が関わる、写真や声を活用する、遊びを通じて関係をつくるといった配慮を行う。処置の際に養育者が同席するかは、本人と養育者の意向を確認して決める。
間違えやすい考え方
現象の名称を問う型で、誤肢がすべて発達心理学の用語である。時期で切る。
5分で振り返る
①分離不安と人見知りは6〜8か月頃、愛着形成が進んだ証で正常な発達。②自我の芽生え(第一次反抗期)は1歳半〜3歳。③アニミズムは前操作期(2〜7歳)。④アンビバレントは両価性。⑤入院時の分離反応は抗議・絶望・脱愛着の3段階。⑥家族の付き添いと面会の支援が重要。
1分チェック
- 6〜8か月で養育者が離れると泣くのは何か。→ 分離不安(人見知りと同時期)。
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