正期産の時期のノンストレステスト〈NST〉で正常なのはどれか。
公式正答:1
解説
正期産の時期のノンストレステスト(NST)で正常なものを問う。20分に2回以上の一過性頻脈があることである。
この問題で問われていること
胎児心拍数モニタリングの正常所見を数値で把握しているか。
しくみから理解する
NSTは、陣痛のない状態で胎児心拍数と子宮収縮を記録し、胎児の健康状態を評価する検査である。判定の中心は一過性頻脈(アクセラレーション)で、胎動に伴って心拍数が一時的に上昇する現象である。妊娠32週以降では、15bpm以上の上昇が15秒以上持続するものを一過性頻脈とし、20分間に2回以上認められればリアクティブ(反応性あり)と判定し、胎児の状態が良好であることを示す。これは中枢神経系と自律神経が正常に働いていることの現れである。
選択肢ごとの確認
徐脈であり異常である。正常な胎児心拍数基線は110〜160bpmで、110bpm未満が徐脈、160bpmを超えると頻脈と判定される。80bpmは著明な徐脈で、胎児機能不全を疑う。
低下している。正常な基線細変動は6〜25bpmで、5bpm以下は細変動減少とされ、胎児の低酸素、中枢神経の抑制、薬剤の影響、あるいは睡眠周期を考える。細変動の消失は最も重要な異常所見の一つである。
NSTでは一過性徐脈は認められないことが正常である。一過性徐脈には、早発(児頭圧迫による、子宮収縮と同期)、遅発(胎盤機能不全を示唆、収縮から遅れて出現)、変動(臍帯圧迫による)があり、とくに遅発一過性徐脈と高度の変動一過性徐脈は胎児機能不全を示す。
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混同しやすいポイント
覚えるべき数値が4つある。基線110〜160bpm、細変動6〜25bpm、一過性頻脈は15bpm以上・15秒以上、20分に2回以上でリアクティブ。頻脈が『正常』で徐脈が『異常』という点が直感に反するため注意する。胎児は成人より心拍数が速く、上昇は元気な証拠、低下は危険の徴候になる。
理解を深める
胎児心拍数パターンが異常でも、母体低酸素血症がない場合に酸素を routine に投与することは勧められない。体位変換、子宮収縮薬の減量・中止、頻収縮や母体低血圧の是正など原因に応じた蘇生措置を行う。酸素は母体低酸素血症または別の明確な適応があるときに投与する。
間違えやすい考え方
正常所見を問う型で、誤肢が数値の異常と、あってはならない所見で構成されている。4つの数値を持っていれば確実。
5分で振り返る
①胎児心拍異常だけで母体酸素を routine に投与しない。②母体低酸素血症があれば酸素を投与する。③左側臥位などの体位変換を行う。④子宮頻収縮なら子宮収縮薬を調整する。⑤母体血圧と原因を評価し、改善しなければ産科チームへ速やかにエスカレーションする。
1分チェック
- NSTでリアクティブと判定する条件は。→ 20分に2回以上の一過性頻脈(15bpm以上・15秒以上)。
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