精神科病院入院患者の身体的拘束中に発生しやすい合併症はどれか。
公式正答:4
解説
精神科病院入院患者の身体的拘束中に発生しやすい合併症を問う。肺血栓塞栓症である。
この問題で問われていること
拘束という状態が身体にもたらす影響を、機序から導けるか。
しくみから理解する
長時間の身体的拘束や不動は、下肢筋ポンプ低下と静脈うっ滞を通じて静脈血栓塞栓症のリスクを高める。ただし「解除や体位変換の瞬間に血栓が遊離しやすい」と特定の時点に因果を結び付ける根拠は示されていない。呼吸困難、胸痛、低酸素、片脚腫脹などを継続して観察する。
選択肢ごとの確認
抗精神病薬(とくに一部の非定型抗精神病薬)による体重増加と耐糖能異常は重要な副作用だが、拘束そのものによって短期間に発症する合併症ではない。
真菌感染症で、清潔保持が困難な状況では生じうるが、拘束中に発生しやすい重篤な合併症として挙げられるものではない。
抗精神病薬の重篤な副作用で、高熱、筋強剛、意識障害、自律神経症状、CK上昇をきたす。薬剤に関連するものであり、拘束そのものによる合併症ではない。ただし拘束下では発熱や筋強剛の発見が遅れる可能性があり、注意は要る。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
拘束による合併症は、不動によるものとして整理する。深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症、褥瘡、関節拘縮と筋力低下、誤嚥、便秘、尿路感染、そして精神的な苦痛と尊厳の侵害である。このうち生命に直結するのが肺血栓塞栓症で、予防が最優先になる。
理解を深める
予防の中心は拘束最小化、可能な早期離床、定期的な体位変換と下肢運動、個別リスクに応じた機械的・薬物的予防である。解除時だけを特別な塞栓発生時点として説明せず、不動期間全体のVTEリスクと症状を評価する。疑わしい症状があれば直ちに医師へ報告する。
間違えやすい考え方
合併症を問う型で、誤肢が薬剤の副作用と感染症で構成されている。拘束という状態から機序で導く。
5分で振り返る
①不動により静脈還流が滞り深部静脈血栓症→肺血栓塞栓症。②解除時や体位変換時に遊離しやすい。③予防は早期解除・体位変換・下肢の運動・弾性ストッキング・水分補給。④他の合併症は褥瘡・拘縮・誤嚥・便秘・尿路感染。⑤悪性症候群は薬剤の副作用。⑥拘束は指定医の判断、頻回の観察と記録が必要。
1分チェック
- 身体的拘束中に最も警戒すべき合併症は。→ 肺血栓塞栓症(深部静脈血栓症から)。
この問題に対応する教材の確認中です。