社会生活技能訓練〈SST〉について正しいのはどれか。
公式正答:1
解説
社会生活技能訓練(SST)について正しいものを問う。認知行動療法の1つであることである。
この問題で問われていること
技法の理論的な位置づけと方法を理解しているか。
しくみから理解する
SSTは、認知行動療法の理論に基づくリハビリテーション技法である。社会生活で必要となる具体的な技能(挨拶する、頼む、断る、相談する、症状を伝える、服薬について医師に質問するなど)を、学習によって身につけることを目指す。方法は、目標の設定、モデリング(手本を見る)、ロールプレイ(実際にやってみる)、正のフィードバック(できたところを具体的にほめる)、修正のための助言、繰り返しの練習、そして実生活での宿題という流れで進む。行動を分解して段階的に学習し、成功体験を積み重ねる点が認知行動療法的である。
選択肢ごとの確認
生活リズムの改善は、生活技能の一部として扱われることはあるが、SSTの目的そのものではない。目的は対人場面での技能の獲得と、それによる社会生活の質の向上である。生活リズムを主に扱うのは生活療法や作業療法の領域になる。
レクリエーション療法とは異なる。SSTは、明確な目標を設定し、ロールプレイと反復練習によって特定の技能を習得する構造化されたプログラムである。楽しむこと自体が目的ではない。
SSTは病棟、デイケア、外来、地域の事業所などさまざまな場で行われ、アウトリーチ(訪問による支援)が原則というわけではない。アウトリーチを原則とするのはACT(包括型地域生活支援プログラム)などである。
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混同しやすいポイント
精神科リハビリテーションの各技法の位置づけを区別する。SST=認知行動療法に基づく技能の学習。作業療法=作業活動を通じた機能の回復と生活の再構築。デイケア=日中の居場所と活動の提供。ACT=重い精神障害のある人への多職種チームによる訪問中心の集中的支援。心理教育=疾患と対処についての知識の共有。それぞれ目的と方法が異なる。
理解を深める
SSTでは、正のフィードバックが極めて重視される。できなかった点を指摘するのではなく、できた点を具体的に伝えることで、自己効力感を高め、行動の定着を促す。参加者どうしが互いにほめ合う構造も治療的に働く。看護師は、リーダーやコリーダーとしてセッションを進行し、日常の場面で練習した技能が使えているかを見守り、実生活へつなぐ役割を担う。適用は統合失調症に限らず、気分障害、発達障害、依存症、さらに矯正施設や学校でも用いられる。診療報酬では入院生活技能訓練療法として算定できる。
間違えやすい考え方
技法の説明を問う型で、誤肢が目的の取り違え、別の療法、支援形態の誤りで構成されている。理論的な位置づけから導く。
5分で振り返る
①SSTは認知行動療法に基づく技能学習の技法。②目標設定→モデリング→ロールプレイ→正のフィードバック→反復→宿題。③目的は対人場面での技能獲得と社会生活の質の向上。④正のフィードバックを重視し自己効力感を高める。⑤アウトリーチ中心はACT。⑥適用は統合失調症に限らない。
1分チェック
- SSTは何に基づく技法か。→ 認知行動療法。
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