精神科病院での行動制限で正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
精神科病院での行動制限で正しいものを問う。12時間を超える隔離については精神保健指定医の判断が必要であることである。
この問題で問われていること
行動制限の要件を、時間と権限の観点から正確に把握しているか。
しくみから理解する
精神保健福祉法に基づく行動制限では、隔離のうち12時間を超えるものと、身体的拘束については、精神保健指定医が必要と認めることが要件になる。12時間以内の隔離は、指定医以外の医師の判断でも行える。この区別は、制限の重さに応じて判断する者の資格を変えるという考え方に基づく。いずれの場合も、制限は必要最小限とし、他に代替する方法がないときに限られ、実施の理由と時刻、観察内容を診療録に記録しなければならない。
選択肢ごとの確認
身体的拘束は精神保健指定医の判断で行うものであり、家族の同意によって決定するものではない。医療保護入院では家族等の同意が入院の要件になるが、これは入院形態の話であって、行動制限の要件とは別である。
行動制限最小化委員会は、行動制限の状況を把握し、基準や手順を検討し、職員への研修を行い、制限を減らすための組織的な取り組みを進める場である。個々の患者に対する隔離の具体的な内容を決定する機関ではない。個別の判断は指定医が行う。
拘束は制裁や懲罰として行ってはならない。要件を満たす場合に限り、必要最小限の時間で行い、要件が満たされなくなれば直ちに解除する。『症状が落ち着くまで』という漫然とした継続は、法の趣旨に反する。
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混同しやすいポイント
『12時間』という数値が、隔離における指定医の関与の分かれ目になる。身体的拘束には時間による区別がなく、常に指定医の判断を要する。この非対称性が問われやすい。また、拘束は懲罰ではないという原則は、実務でも繰り返し確認される点である。
理解を深める
行動制限にあたっては、患者への告知も義務づけられている。隔離や拘束を行う際には、その理由を本人に知らせ、診療録に記載する。また、信書の発受、都道府県の職員や弁護士との電話・面会は、いかなる場合も制限できない。これは患者の権利擁護の最後の砦にあたる。すべての入院患者は、都道府県知事に対して退院請求と処遇改善請求を行うことができ、精神医療審査会が審査する。看護師は、制限が必要最小限にとどまっているかを日常的に評価し、解除できる条件を検討し、患者の訴えを記録して医師とチームに伝える立場にある。拘束中の観察は頻回に行い、身体的な合併症と精神的な苦痛の両方を見る。
間違えやすい考え方
『正しいのはどれか』型で、誤肢が権限の取り違え、委員会の役割の誤解、懲罰的な運用で構成されている。時間と権限の対応を持つ。
5分で振り返る
①12時間を超える隔離と身体的拘束は精神保健指定医の判断が必要。②12時間以内の隔離は指定医以外の医師でも可。③家族の同意は入院形態の要件であり行動制限の要件ではない。④行動制限最小化委員会は組織的な取り組みの場、個別の決定はしない。⑤拘束は懲罰ではない、要件を満たさなくなれば直ちに解除。⑥信書と行政・弁護士との連絡は制限できない。
1分チェック
- 12時間を超える隔離には何が必要か。→ 精神保健指定医の判断。
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