ワーク・ライフ・バランスの取り組みで正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
ワーク・ライフ・バランスの取り組みで正しいものを問う。自己啓発や社会活動にも適応される取り組みであることである。
この問題で問われていること
概念の範囲を、仕事と育児の両立に限定していないか。
しくみから理解する
ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)は、仕事と、仕事以外の生活の双方を充実させることを目指す考え方である。仕事以外の生活には、育児や介護だけでなく、自己啓発(学習、資格取得、研究)、社会活動(地域活動、ボランティア)、趣味、休養、健康の維持が含まれる。仕事と生活の調和憲章では、就労による経済的自立が可能な社会、健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会、多様な働き方・生き方が選択できる社会の3つが目指すべき姿として示されている。看護職の倫理綱領でも、看護職自身のウェルビーイングの向上のために仕事と生活の調和をとることが明記されている。
選択肢ごとの確認
逆である。目指すのは多様な働き方の選択が可能になることであり、標準化ではない。短時間勤務、フレックスタイム、夜勤の免除、勤務間インターバルなど、その人の状況に応じた働き方を選べるようにすることが趣旨である。
男女を問わず、すべての働く人が対象である。女性に限定すると、育児や介護の負担が女性に偏る構造を固定してしまう。男性の育児休業取得の促進は、ワーク・ライフ・バランスの重要な柱の一つである。
これはキャリアデザイン、キャリア開発の説明である。ワーク・ライフ・バランスと関連はするが、別の概念である。ワーク・ライフ・バランスは、仕事と仕事以外の生活の調和に焦点がある。
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混同しやすいポイント
『育児と仕事の両立』に限定して理解していると、選択肢2や4を選びやすい。対象はすべての働く人であり、生活の側には自己啓発や社会活動も含まれる、という広い範囲を持つことが判別の鍵になる。またキャリアデザインとの区別も問われる。
理解を深める
看護職の労働環境は、夜勤・交代制勤務、時間外労働、業務の密度、感染や暴力のリスクといった負荷を伴う。これらは離職の要因になり、人材の確保と定着に直結する。日本看護協会は、夜勤・交代制勤務に関する11の勤務編成の基準(勤務間隔11時間以上、連続勤務は3交代で3日以内、夜勤回数の上限など)を示している。組織としての取り組みには、勤務表の工夫、多様な勤務形態の導入、時間外労働の削減、休暇の取得促進、院内保育所、復職支援、ハラスメント防止がある。個人としては、休息の確保、健康管理、支援を求めることが挙げられる。管理者は、スタッフの状況を把握し、制度が実際に使える雰囲気をつくることが求められる。制度があっても使えない状態では意味がない。
間違えやすい考え方
概念の範囲を問う型で、誤肢が方向の逆、対象の限定、別概念で構成されている。生活の側に何が含まれるかを持つ。
5分で振り返る
①仕事と仕事以外の生活の双方を充実させる考え方。②生活には自己啓発・社会活動・趣味・休養が含まれる。③対象は男女を問わずすべての働く人。④目指すのは標準化ではなく多様な働き方の選択。⑤キャリアデザインとは別の概念。⑥看護協会は勤務間隔11時間以上などの基準を示している。
1分チェック
- ワーク・ライフ・バランスの生活には何が含まれるか。→ 育児・介護に限らず、自己啓発や社会活動も含む。
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