避難所生活において、身体活動が低下し続けている高齢者に最も起こりやすいの はどれか。
公式正答:4
解説
避難所生活で身体活動が低下し続けている高齢者に最も起こりやすいものを問う。生活不活発病(廃用症候群)である。
この問題で問われていること
設問の条件(身体活動の低下が続く)が直接指し示す病態を選べるか。
しくみから理解する
生活不活発病は、活動しない状態が続くことで、心身の機能が全般に低下していく状態である。避難所では、居場所が狭い、行き先がない、役割がない、トイレを我慢するために動きたくない、遠慮して横になっている、といった理由で活動量が著しく下がる。その結果、筋力低下と筋萎縮、関節拘縮、骨密度の低下、心肺機能の低下、起立性低血圧、便秘、食欲低下、褥瘡、うつ状態、認知機能の低下が連鎖的に起こる。高齢者では、いったん低下すると回復に長い時間がかかり、そのまま要介護状態へ移行することがある。
選択肢ごとの確認
避難所では集団生活と衛生環境の悪化により、呼吸器感染症や感染性胃腸炎のリスクが高い。重要な問題だが、設問が示す条件は『身体活動が低下し続けている』ことであり、これが直接導くのは生活不活発病である。
トイレの回数を減らそうとして水分を控えることから、避難所では実際に起こりやすい。ただしこれも活動低下から直接導かれるものではない。なお脱水は血栓症の要因にもなる。
環境の変化、睡眠障害、脱水、薬剤などにより高齢者に生じうる。活動低下も一因になるが、設問の条件が最も直接的に指すのは生活不活発病である。
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混同しやすいポイント
誤肢はいずれも避難所で実際に起こりやすい問題であり、『間違い』ではない。設問が『身体活動が低下し続けている』という条件を明示している点を読み、その条件から最も直接に導かれるものを選ぶ。この型では、単独では正しい選択肢を、条件との結びつきの強さで比較する必要がある。
理解を深める
予防が中心になる。避難所では、動く機会と理由をつくることが対策になる。役割を持ってもらう(配布の手伝い、見守り)、体操やラジオ体操の時間を設ける、トイレを近く清潔に保ち行きやすくする、段差を減らす、通路と居場所を確保する、椅子や仮設ベッドを用意して床からの立ち上がりの負担を減らす、といった環境整備が有効である。とくに『動かないでいる方がよい』という思い込みを解くことが重要で、本人と家族への説明が要る。災害関連死の要因としても、生活不活発病、肺炎、深部静脈血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)、持病の悪化、心理的な負担が挙げられる。避難所のアセスメントでは、要配慮者(高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児、慢性疾患のある人)を早期に把握し、福祉避難所への移動を検討する。
間違えやすい考え方
『最も起こりやすいのはどれか』型で、誤肢がすべて避難所で実際に起こる問題である。設問の条件との結びつきで比較する。
5分で振り返る
①生活不活発病=活動しないことで心身機能が全般に低下する。②筋力低下・拘縮・起立性低血圧・便秘・うつ・認知機能低下が連鎖する。③高齢者は回復に時間がかかり要介護へ移行しうる。④対策は動く機会と理由をつくること(役割、体操、環境整備)。⑤『動かない方がよい』という思い込みを解く。⑥災害関連死の要因は生活不活発病・肺炎・深部静脈血栓症・持病の悪化。
1分チェック
- 身体活動の低下が続くと何が起こるか。→ 生活不活発病(廃用症候群)。
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