急性の化膿性炎症で最初に血管外に遊走し炎症の中心となるのはどれか。
公式正答:3
解説
細菌が入ると最初に駆けつけるのが好中球。膿の正体は、細菌と戦って死んだ好中球の集まりである。
この問題で問われていること
急性炎症の経過を細胞の登場順で言えるか。化膿という語が好中球と結びついているか。
しくみから理解する
細菌が組織に侵入すると、マクロファージや損傷した細胞から炎症性サイトカイン(インターロイキン1・TNFなど)が放出される。これにより血管が拡張して血流が増え(発赤・熱感)、血管透過性が高まって血漿成分が漏れ出る(腫脹)。同時に血管内皮に接着分子が現れ、血流中の好中球がそこに転がって接着し、血管壁のすきまから組織へ這い出る(遊走)。組織へ出た好中球は、細菌が出す物質や補体の断片に引き寄せられて感染巣へ集まり(走化性)、細菌を貪食して活性酸素と分解酵素で殺す。この過程で好中球自身も死に、その死骸と組織の残骸と滲出液が混ざったものが膿である。数日たつと単球由来のマクロファージが主体に移り、後片づけと修復が進む。 【接地元】ガイトン生理学 炎症と好中球・マクロファージによる感染防御、人体の構造と機能 第5版 生体防御
選択肢ごとの確認
止血に働く。炎症の初期に凝固も関与するが、血管外へ遊走して炎症の中心になるわけではない。
寄生虫感染とアレルギー反応で増える。細菌性の化膿性炎症の主役ではない。
細菌感染の最前線。最初に遊走して集まり、貪食する。膿の主成分でもある。
酸素を運ぶ細胞で、自ら遊走する能力はない。出血があれば血管外に出るが、それは遊走ではない。
獲得免疫を担い、抗原に特異的に反応する。登場するのは好中球より遅く、慢性炎症やウイルス感染で主体になる。
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混同しやすいポイント
「炎症」と一括りにすると誤る。急性の細菌性炎症は好中球、慢性炎症とウイルス感染はリンパ球とマクロファージ、アレルギーと寄生虫は好酸球、と原因ごとに主役が違う。設問の「急性の化膿性」という限定を読む。
理解を深める
炎症の4徴(発赤・熱感・腫脹・疼痛、これに機能障害を加えて5徴)は、すべて血管の反応で説明できる。血管拡張→発赤と熱感、透過性亢進→腫脹、腫脹と化学物質→疼痛。好中球の減少は感染防御の破綻に直結し、好中球数500/μL未満では発熱だけでも緊急の対応が要る(発熱性好中球減少症)。抗癌薬の骨髄抑制で好中球が減る時期(ナディア)を把握して感染予防を行うのは、この理解に基づく。
間違えやすい考え方
炎症に関わる細胞を並べ、条件(急性・化膿性)で1つに絞らせる型。条件語を読んで主役を決めてから選択肢を見る。
5分で振り返る
細菌の侵入→サイトカイン放出→血管拡張(発赤・熱感)と透過性亢進(腫脹)→血管内皮の接着分子に好中球が接着→血管外へ遊走→走化性で感染巣へ→貪食・殺菌→好中球が死んで膿になる。数日後にマクロファージが主体となり修復へ。急性細菌性=好中球、慢性・ウイルス=リンパ球とマクロファージ、アレルギー・寄生虫=好酸球。好中球500/μL未満は発熱性好中球減少症として緊急対応。
1分チェック
- 急性の細菌感染で最初に集まる細胞は何か
- 膿の主成分は何か
- 慢性炎症で主体になる細胞は何か
- 炎症の4徴は何か
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