過剰に摂取すると試験紙法による尿潜血検査が偽陰性となるのはどれか。
公式正答:5
解説
過剰に摂取すると試験紙法による尿潜血検査が偽陰性となるものを問う。アスコルビン酸である。
この問題で問われていること
検査の原理と、それを妨げる物質の作用を理解しているか。
しくみから理解する
試験紙法による尿潜血の検出は、ヘモグロビンの持つペルオキシダーゼ様作用を利用する。試験紙に含まれる過酸化物がこの作用で分解され、生じた酸素が色原体を酸化して発色する。つまり検査の本質は酸化反応である。アスコルビン酸(ビタミンC)は強い還元作用を持つため、この酸化反応を妨げ、発色を抑える。その結果、実際には血尿があるのに陰性と判定される偽陰性が生じる。同じ理由で、尿糖、ビリルビン、亜硝酸塩の試験紙にも影響しうる。
選択肢ごとの確認
水溶性ビタミンで、DNA合成と赤血球の産生に関わる。欠乏は巨赤芽球性貧血と、妊娠初期では胎児の神経管閉鎖障害を招く。尿試験紙の酸化反応を妨げる作用はない。
脂溶性ビタミンで、視覚(ロドプシンの構成)と上皮の維持に関わる。欠乏は夜盲症、過剰摂取は頭痛や肝障害、妊娠初期では催奇形性が問題になる。尿試験紙への還元作用はない。
チアミン。糖代謝の補酵素として働き、欠乏は脚気とウェルニッケ脳症を招く。還元作用による検査への干渉は知られていない。
補酵素Aの構成成分となる水溶性ビタミンで、広く食品に含まれ欠乏はまれである。試験紙への干渉はない。
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混同しやすいポイント
『ビタミンC=還元剤』という性質を持っていれば導ける。酸化反応を利用する検査は、還元剤で妨げられる。逆に、還元反応を利用する検査であれば酸化剤が妨げる。検査の原理と物質の性質を結びつけて考える型である。なおアスコルビン酸の影響を受けにくい試験紙も開発されているが、大量摂取時には注意が要る。
理解を深める
尿検査は非侵襲的で情報量が多く、看護師が日常的に扱う。潜血陽性であれば、糸球体腎炎、尿路結石、尿路感染症、腫瘍、外傷などを考える。ただし試験紙は遊離ヘモグロビンやミオグロビンにも反応するため、溶血や横紋筋融解症でも陽性になる。陽性であれば尿沈渣で赤血球の有無と形態を確認し、変形赤血球や赤血球円柱があれば糸球体由来を疑う。偽陽性の要因には、月経中の混入、消毒薬の混入、強い運動の後の血尿がある。検体は中間尿を採取し、時間が経つと成分が変性するため速やかに提出する。患者には、検査前の運動、ビタミン剤の摂取、月経の有無を確認する。
間違えやすい考え方
検査の干渉物質を問う型で、誤肢がすべてビタミンである。還元作用という性質で切る。
5分で振り返る
①試験紙法の尿潜血はヘモグロビンのペルオキシダーゼ様作用による酸化発色を見る。②アスコルビン酸は還元剤なので発色を妨げ偽陰性になる。③尿糖・ビリルビン・亜硝酸塩の試験紙にも影響しうる。④潜血陽性は溶血やミオグロビンでも生じる。⑤偽陽性の要因は月経の混入・運動後。⑥中間尿を採取し速やかに提出する。
1分チェック
- 尿潜血が偽陰性になるのは何の過剰摂取か。→ アスコルビン酸(ビタミンC)の還元作用による。
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