Ⅱ型アレルギーで起こる疾患はどれか。
公式正答:5
解説
Ⅱ型アレルギーで起こる疾患を問う。特発性血小板減少性紫斑病(ITP)である。
この問題で問われていること
アレルギーの型分類を、機序と代表疾患で対応づけられるか。
しくみから理解する
Ⅱ型アレルギーは細胞傷害型で、細胞の表面にある抗原に対してIgGまたはIgM抗体が結合し、補体の活性化や食細胞による貪食、抗体依存性細胞傷害(ADCC)によってその細胞が破壊される反応である。ITPでは、血小板膜の糖蛋白に対する自己抗体が産生され、抗体の結合した血小板が主に脾臓のマクロファージに貪食されて破壊される。その結果、血小板数が減少し、点状出血、紫斑、鼻出血、月経過多といった出血傾向が現れる。ほかにⅡ型に分類されるものとして、自己免疫性溶血性貧血、不適合輸血による溶血、重症筋無力症、Basedow病、Goodpasture症候群がある。
選択肢ごとの確認
急性糸球体腎炎は、抗原抗体複合体(免疫複合体)が糸球体に沈着して補体を活性化し、組織を傷害するⅢ型アレルギーである。なおGoodpasture症候群は糸球体基底膜そのものに対する抗体によるためⅡ型で、同じ腎炎でも型が異なる点に注意する。
免疫複合体が関節滑膜に沈着して炎症を起こすⅢ型が主体とされる。T細胞やサイトカインを介した機序も関わり複合的だが、型分類ではⅢ型に位置づけられる。
IgEと肥満細胞を介するⅠ型(即時型)が関与する。ただし慢性期にはT細胞を介するⅣ型の要素も加わる複合的な病態である。
典型的なⅠ型アレルギーである。花粉などの抗原がIgEを介して肥満細胞を脱顆粒させ、ヒスタミンによる掻痒、充血、流涙が生じる。
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混同しやすいポイント
型と代表疾患の対応表を持つ。Ⅰ型(IgE・即時型)=アナフィラキシー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎。Ⅱ型(細胞傷害型)=ITP、自己免疫性溶血性貧血、不適合輸血、重症筋無力症、Basedow病、Goodpasture症候群。Ⅲ型(免疫複合体型)=急性糸球体腎炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、血清病、過敏性肺炎。Ⅳ型(遅延型・細胞性)=ツベルクリン反応、接触性皮膚炎、移植片拒絶、薬疹の一部。糸球体腎炎はⅢ型だがGoodpasture症候群はⅡ型、という例外を押さえると理解が深まる。
理解を深める
ITPの看護では、出血の予防と早期発見が中心になる。血小板数が2万/μL未満では重篤な出血のリスクが高まる。転倒の防止、硬い歯ブラシを避ける、鼻を強くかまない、便秘を避ける(怒責による出血を防ぐ)、筋肉注射を避ける、剃刀ではなく電気シェーバーを使うといった具体的な指導を行う。頭痛、意識の変化は頭蓋内出血を疑う所見として直ちに報告する。治療は、ヘリコバクター・ピロリ陽性であれば除菌、副腎皮質ステロイド、トロンボポエチン受容体作動薬、脾臓摘出、免疫グロブリン大量療法などがある。Basedow病がⅡ型に分類されるのは、TSH受容体に対する自己抗体が受容体を刺激するためで、細胞を破壊せず刺激する型(Ⅴ型として区別することもある)である点は補足として知っておくとよい。
間違えやすい考え方
型分類を問う型で、誤肢がⅠ型とⅢ型の疾患で構成されている。型と疾患の対応表を持つ。
5分で振り返る
①Ⅰ型=IgE・即時型(アナフィラキシー、喘息、結膜炎、アトピー)。②Ⅱ型=細胞傷害型(ITP、自己免疫性溶血性貧血、不適合輸血、重症筋無力症、Basedow病)。③Ⅲ型=免疫複合体型(急性糸球体腎炎、SLE、関節リウマチ)。④Ⅳ型=遅延型・細胞性(ツベルクリン反応、接触性皮膚炎、拒絶反応)。⑤Goodpasture症候群は腎炎だがⅡ型。⑥ITPは血小板2万/μL未満で出血リスク大。
1分チェック
- ITPはどの型のアレルギーか。→ Ⅱ型(細胞傷害型、自己抗体による血小板の破壊)。
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