日常生活自立支援事業のサービス内容で正しいのはどれか。2つ選べ。
公式正答:1・5
解説
日常生活自立支援事業のサービス内容で正しいものを2つ問う。住民票の届出と、銀行口座から現金の引き出しである。
この問題で問われていること
事業の範囲を、成年後見制度との違いから区別できるか。
しくみから理解する
日常生活自立支援事業は、社会福祉法にいう福祉サービス利用援助事業として位置づけられ、都道府県・指定都市社会福祉協議会が実施主体となる。判断能力が不十分な人(認知症高齢者、知的障害者、精神障害者など)で、契約の内容を理解できる程度の判断能力がある人が対象になる。内容は、福祉サービスの利用援助、日常的金銭管理(年金や福祉手当の受領に必要な手続き、公共料金や医療費の支払い、預貯金の払い戻し・預け入れ)、書類等の預かり、行政手続きに関する援助である。住民票の届出の援助と、日常生活に必要な範囲での現金の引き出しは、いずれもこの範囲に含まれる。
選択肢ごとの確認
介護保険法に基づくサービス(福祉用具貸与)である。日常生活自立支援事業は、金銭管理と手続きの援助を行うものであって、現物のサービスを提供するものではない。
含まれない。身元保証は、医療費の支払い保証、緊急時の連絡先、退院時の身柄の引き取り、死亡時の対応といった重い責任を伴い、この事業の範囲を超える。身寄りのない人の入院時の対応は、厚生労働省の指針により、身元保証人がいないことのみを理由に入院を拒むことは適切でないとされ、成年後見人等や関係機関との連携で対応することが求められている。
含まれない。財産の重要な処分にあたる法律行為であり、日常的金銭管理の範囲を超える。こうした行為の代理は成年後見制度(法定後見の後見・保佐・補助)で対応する。
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混同しやすいポイント
成年後見制度との違いが要点である。日常生活自立支援事業=契約に基づく、日常的な金銭管理と手続きの援助、実施は社会福祉協議会、本人に契約締結能力が必要。成年後見制度=家庭裁判所の審判に基づく、財産管理と身上保護の法律行為の代理・同意・取消し、本人の判断能力がより低下した場合も対象。『日常的な範囲か、重要な法律行為か』で線を引く。両者は併用されることもある。
理解を深める
手続きは、社会福祉協議会への相談から始まり、専門員が本人の状況と意向を確認して支援計画を作成し、契約を締結する。実際の援助は生活支援員が担う。利用料は、相談と支援計画の作成は無料で、援助の実施には1回あたりの利用料がかかる(生活保護受給者は無料となる場合が多い)。契約に基づく事業であるため、本人が契約の意味を理解できることが前提になり、それが難しくなれば成年後見制度への移行を検討する。看護師が関わる場面としては、退院支援において、金銭管理や公共料金の支払いが滞っている、書類が理解できない、といった状況に気づいたときに、地域包括支援センターや社会福祉協議会へつなぐことが挙げられる。判断能力の低下は、本人が困っていることを言い出しにくい領域でもあり、生活の様子から気づく視点が要る。
間違えやすい考え方
2つ選べの型で、誤肢が別制度のサービス、範囲を超える保証、重要な法律行為で構成されている。日常的な範囲かどうかで切る。
5分で振り返る
①社会福祉法の福祉サービス利用援助事業、実施は都道府県・指定都市社会福祉協議会。②対象は判断能力が不十分だが契約は理解できる人。③内容は福祉サービス利用援助、日常的金銭管理、書類等の預かり、行政手続きの援助。④重要な財産の処分や身元保証は範囲外。⑤成年後見制度は家庭裁判所の審判に基づく法律行為の代理。⑥判断能力の低下が進めば成年後見へ移行。
1分チェック
- 日常生活自立支援事業は何をするか。→ 日常的金銭管理と福祉サービスの利用援助・手続きの援助。
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