日本の令和4 年(2022 年) の人口動態統計で、女性の死亡数が最も多い 悪性新生物〈malignant neoplasm〉〈腫瘍〉の発生部位はどれか。
公式正答:3
解説
人口動態統計で、女性の死亡数が最も多い悪性新生物の発生部位を問う。大腸である。
この問題で問われていること
がんの部位別死亡数の順位を、男女別に把握しているか。
しくみから理解する
悪性新生物は日本人の死因の第1位である。部位別の死亡数をみると、女性では大腸が最も多く、次いで肺、膵臓、乳房、胃と続く。男性では肺が最も多く、大腸、胃、膵臓、肝臓の順になる。大腸癌は食生活の欧米化を背景に増加しており、女性では乳癌より死亡数が多い点が特徴である。罹患数では女性の乳癌が最多だが、乳癌は生存率が比較的高いため死亡数では順位が下がる。この罹患と死亡の乖離が、この設問の要点になる。
選択肢ごとの確認
男性では第1位だが、女性では大腸に次ぐ第2位である。喫煙率の男女差が背景にある。
上位ではあるが最多ではない。子宮頸癌は検診とワクチンで予防可能であり、子宮体癌は比較的予後がよい。
女性の罹患数では最も多いが、死亡数では大腸・肺・膵臓に次ぐ順位になる。早期発見と治療の進歩により生存率が高いためである。罹患数と死亡数を混同すると誤る。
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混同しやすいポイント
『罹患数』と『死亡数』を区別することが最大の要点である。女性の罹患数は乳房が最多、死亡数は大腸が最多。男性の罹患数は前立腺が最多、死亡数は肺が最多。生存率の違いによって順位が入れ替わる。前立腺癌も、罹患は多いが進行が緩やかで死亡数の順位は低い。
理解を深める
がん対策は、一次予防(禁煙、食生活、身体活動、感染対策)、二次予防(検診による早期発見)、三次予防(治療とリハビリテーション、緩和ケア)で構成される。国が指針で定める対策型検診は、胃(50歳以上・2年に1回、当分の間40歳以上の年1回も可)、大腸(40歳以上・年1回)、肺(40歳以上・年1回)、乳房(40歳以上・2年に1回)、子宮頸部(20歳以上・2年に1回)の5つである。大腸癌検診は便潜血検査で行われ、簡便で負担が少ないにもかかわらず受診率と精検受診率が課題になっている。看護では、検診の意義と精密検査の重要性を伝える役割がある。
間違えやすい考え方
統計の順位を問う型で、罹患と死亡という別の指標が誤肢の背景にある。何を数えた順位かを確認する。
5分で振り返る
①女性のがん死亡は大腸→肺→膵臓→乳房→胃。②男性は肺→大腸→胃→膵臓→肝臓。③罹患数は女性が乳房、男性が前立腺で最多。④乳癌は生存率が高く死亡順位は下がる。⑤対策型検診は胃・大腸・肺・乳房・子宮頸部の5つ。
1分チェック
- 女性のがん死亡で最も多い部位は。→ 大腸。
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