健康問題を引き起こす大気汚染物質はどれか。
公式正答:4
解説
健康問題を引き起こす大気汚染物質を問う。光化学オキシダントである。
この問題で問われていること
環境汚染物質を、汚染される媒体(大気・水・土壌・室内)で分類できるか。
しくみから理解する
光化学オキシダントは、工場や自動車から排出される窒素酸化物と揮発性有機化合物が、太陽紫外線を受けて光化学反応を起こして生成される二次的な汚染物質である。オゾンを主成分とし、日射が強く風の弱い夏季の日中に高濃度になりやすい。目や喉の痛み、咳、呼吸困難を引き起こし、高濃度時には光化学スモッグ注意報が発令される。大気の環境基準項目の中で、達成率が特に低い物質として知られる。
選択肢ごとの確認
水質汚濁による健康被害の原因物質で、水俣病を引き起こした。工場排水中のメチル水銀が魚介類に蓄積し、それを摂取した住民に神経症状(感覚障害、運動失調、視野狭窄、難聴)が生じた。大気汚染ではない。
これも水質・土壌汚染による。鉱山の排水に含まれたカドミウムが農地と米に蓄積し、イタイイタイ病(腎障害と骨軟化症による激しい疼痛)を引き起こした。
建材や接着剤から放散される室内空気の汚染物質で、シックハウス症候群の主要な原因である。屋外の大気にも存在し、大気汚染防止法にもとづく有害大気汚染物質のうち優先的に取り組む物質として指針値が定められ、監視の対象になっている。ただしこの設問が問うているのは環境基準が定められた大気汚染物質であり、ホルムアルデヒドは主として室内空気の問題として扱われる。
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混同しやすいポイント
四大公害病と原因物質・媒体の対応を覚える。水俣病=有機水銀(水)、新潟水俣病=有機水銀(水)、イタイイタイ病=カドミウム(水・土壌)、四日市ぜんそく=硫黄酸化物(大気)。この4つを押さえると、誤肢の多くを排除できる。またホルムアルデヒドは主として室内空気の問題、という区分も別に持っておく(屋外の大気でも指針値が定められ監視されているが、環境基準が定められた大気汚染物質とは別の枠組みになる)。
理解を深める
大気の環境基準項目には、二酸化硫黄、一酸化炭素、浮遊粒子状物質(SPM)、二酸化窒素、光化学オキシダント、微小粒子状物質(PM2.5)、ベンゼンなどがある。このうち光化学オキシダントは達成率が極めて低い状態が続いている。PM2.5は粒径2.5μm以下の微小粒子で、肺の奥深くまで到達し、呼吸器・循環器への影響が懸念される。看護では、注意報が出た日に呼吸器疾患のある患者や小児、高齢者へ外出を控えるよう伝える、窓を閉める、屋外での激しい運動を避けるといった具体的な助言ができる。
間違えやすい考え方
『大気汚染物質はどれか』型で、誤肢が水質汚染と室内汚染の物質で構成されている。媒体で分類していれば一択になる。
5分で振り返る
①光化学オキシダント=オゾンが主成分、夏季日中に高濃度、目や喉の刺激。②環境基準の達成率が特に低い。③有機水銀=水俣病(水)。④カドミウム=イタイイタイ病(水・土壌)。⑤ホルムアルデヒド=シックハウス症候群(主として室内空気の問題。屋外の大気でも指針値が定められ監視されるが、環境基準が定められた大気汚染物質とは枠組みが別)。⑥四日市ぜんそく=硫黄酸化物(大気)。
1分チェック
- 光化学オキシダントは何による汚染か。→ 大気(窒素酸化物と揮発性有機化合物から紫外線で生成)。
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